プロローグ
「やあ諸君!久しぶりだねぇ!元気にしてたかい?突然だけど君たちに最後の挑戦状を渡すね!とりあえずここに来てくれないかい?それじゃあまた後ほど~~!」
突然の連絡に真田疾風はベットから飛び起きた。なぜ!?なんで今になってあの人から連絡が!?
思考がまとまらず困惑していると、自分の携帯に着信がきた。
「疾風!?連絡見た!?」
電話から鼓膜が破れる程のつんざくような大声が、疾風の耳に響き渡った。
「いきなり大声出すなよ京火!!見たよ!!とりあえず書かれてるところに行くぞ!他の奴らには声かけた?」
「ううん。疾風が最初。でも清美や篤志からも連絡来てるし、咲ちゃんが指定された場所までのルートを検索してくれてる。陰道先輩もそれ見て実家の車出してくれるみたい!!」
「分かった。とりあえず学校集合で、集まり次第すぐ出発な!」
OKと京火の返事を聞くと疾風は電話を切り、移動に必要そうな最低限の荷物をまとめて家を飛び出した。
2年前に急にいなくなったのにどうして。疾風は自転車に乗って、全力でペダルをこぎ、風を切るかのように走り出した。いつもの通学路を駆け抜けていく。歩行者や車をうまくかわしながら息切れを交え目的地へ向かっていく。
その道中、疾風は思い出していた。僕らが悩み苦しみながら挑戦し続けたあの2年間を。そしてその舞台を用意し、僕らに希望を持たせてくれたあの太陽のように眩しかった彼女のことを・・・