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皇帝の決断 ◇皇帝視点◇
私の名はヴォルフガング・フォン・バイエル、この国の王だ。
ついこの前に魔王を制するため、勇者を召喚したのだが…
同時に四人も召喚されるとは思っていなかったので見逃してしまった。
先代勇者は魔族の侵攻が嘘だと気づいているだろう。
この国でその事を吹聴されてはかなわん
「…ムラサメ、出てこい」
「何でしょうか」
「貴様に暗殺を依頼したい、標的はこの男だ」
「…これは、この前召喚した先代勇者様ではありませんか。」
「ああ、奴はこの国の秘密に触れた。だから消えてもらうのだ」
「わかりました、ただし…」
「わかっとる、礼ははずむ」
そして、私が瞬きをした次の瞬間には、ムラサメはいなかった。
奴の依頼料はかなり高額なのだが、事実を言い廻られては面倒だ。
だがムラサメの実力は確かだ、なんせ
過去に5回も魔王を倒した勇者を殺しているのだから