偵察
ルナたちの強化を初めてから一年経ったが勇者たちのステータスはどうなっているだろうな
どうせだから人間サイドの情報を集めに行くか
「そんなわけでしばらく人の町に行ってくる」
「え、それバレません?」
「大丈夫、人になれば問題ないし、性転換もあるから」
「あー、人間の女になればばれないとは思いますけど」
「そういうことだから行ってくる」
そう言って俺は辺境の町の外に転移した
そして性転換のスキルを使っておいた、もし勇者組がこの町にいたら一発でバレるからな
「あー、やっぱこの声なれないわ」
服と顔立ちの問題で貴族のお嬢様みたいな格好だが口調ですべて消し飛んでいる
この一年でこのスキルも研究したがルナにも「口調さえ直せれば完璧なんですが…」とダメ出しされている
「さ、行きますか」
まあ急に驚かされるとかじゃなければそういう風にしゃべることはできる
「あとは、アイテムボックスから馬車出して…」
馬車を出して、馬(魔族領に住んでた馬型ゴーレム)と御者(幻影)を出してお嬢様みたいな感じにする
幻影は魔法創造で作った魔法の一つだ、喋れるしほぼばれない、ただし触ると貫通するためそこは注意が必要だ
「次の、馬車か、人数は?」
「私と車内におひとりです、荷物は食料などを」
「ふむ、確かに間違いはないな、通行料10ゴールドだ」
「ではこれで、ちょうど10ゴールドです」
「確かに、通っていいぞ」
何とか中に入ることはできた、あとは宿を取って情報を調べるだけだ
「じゃあ宿に行くか、ゴーレム」
「ヒヒーン!」
そう言って馬ゴーレムは近場の高級宿に向かった
着いたところはかなり高級そうな宿だった
「ようこそいらっしゃいました、お泊りですか?」
「ええ、部屋を二つと馬二匹です、おいくらでしょうか」
「はい、朝夜食事つきで一泊1万ゴールドです」
「では五日ほど」
「かしこまりました、こちらがお部屋の鍵です、お部屋は206号室と207号室です」
そのあと、部屋に入った俺は幻影魔法を解き、服を冒険者風に着替え、近くの路地に転移した
「ふう、この格好なら口調を戻せる」
髪の長さは調節できるから助かる、さっきのは腰まであったから冒険者としては動きずらい
あとこっちの格好で冒険者登録もしておいた、事前に依頼をまあまあこなして信用は得ている
「さて、勇者とかを調べるとしますか」
そう呟きながら俺はギルドへ入った
──────────────────
中に入ると強い酒の匂いと騒ぎ声が聞こえる
そして俺は迷いなく受付のカウンターへ向かう
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件で」
「ああ、さっきここについたばかりでな、情報を買いたい」
「わかりました、どのような情報でしょうか」
「とりあえず事件とか話題になってることとか、これで買える分教えてくれ」
そう言って俺は1万ゴールドを出した
「そうですね、まずこのあたりで盗賊が出るという物ですね、しかも人と魔族が組んで襲ってくるらしいです」
「なに?人と魔族が手を組んで襲っているのか」
「はい、しかし被害はまだ冒険者だけなので一応討伐依頼だけ出ています」
「そうか、今度受けてみるか」
「あとはこの町に勇者が来ていることですね、今代の勇者は先代に並ぶ勢いだそうで」
俺に並ぶ勢いか、たった一年で能力や魔法をカンストさせる勢いで鍛えているのだろう
ということはあの人にも…
「これくらいですね、ほかに何かありますか?」
「いや、大丈夫だ、宿を取らないといけないしあたしはもう行くよ」
「そうですか、ありがとうございました」
そして俺はギルドを出る、しかし
「おう、いい体してんな姉ちゃん、ちょっとこっちこいよ」
「…邪魔すんな」
「お?なんだ、おれはこのギルドで一番強ええジョイン様だぞ」
「ならこのパンチに耐えられたら待ってやるよ」
「ふん、ただの女の拳程度に負けるわk(殴」
そう言って拳を食らったアホはギルドの壁にたたきつけられて失神した
「修繕費はそのアホからむしっとけ」
そう言って俺は今度こそギルドを出た
────────宿にて
その後、先ほど転移した路地から宿の部屋に戻ってきて着替えた
勇者はこの町にいる、しかも成長はかなり早いらしい
それだけでも探す手間が省ける
明日は勇者の居場所を探ってみるか
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一言:来夢(女)はプラチナブロンドの金眼の子です




