表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

処刑台のある国3

少し考えれば分かることです。この国には治安の悪い時代もありましたし、もしかすると戦争をしたこともあったかもしれません。それなのに金属の弱点に気付かないということはありえないことです。つまり、全部嘘です。薪のことも含めて。貴族や学者を騙すにはあまりにも稚拙な嘘ですが、頭の足らない人達を騙すには十分でしょう。なぜ、このような回りくどい嘘をついたのか。その答えは、私の眼前の光景が示します。


死体だらけでした。頭に鈍器で殴られたような跡がある者。包丁が刺さったまま動かない者。あるいは、首から上が無い者もいました。この国は数十年に渡って平和を維持してきました。拷問と処刑によって。しかし私が身をもって処刑器具と兵隊さん達の武器が無力であることを示してしまい、今まで溜め込んできた不満がこのような形で噴出したのでしょう。処刑される心配なんてありませんからね。


しかし、それは嘘なのです。沢山の人殺しは駆けつけた兵士に殺され、話が違うと怖じ気づいた者達は捕縛されました。そして今、処刑器具が大活躍しています。見たかった光景を、ようやく目にすることができました。わたしは今、とても幸せです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ