14話
明けましておめでとうございます!
「ただいまー!!紗耶香さんいる???」
思いっきりリビングのドアを開け放って言う私。子どもっぽい?良いんだよ!!それが私だ!!!
「お帰り陽凪ちゃん。今日は遅かったね」
「今日はフルコマだったからね.......。フルコマの日なんて作るんじゃなかった..........。でも4年生の時楽するため.......」
「4年生になったら卒論だけに集中できる環境ができれば遊びたい放題だから今は我慢だね」
「知ってるけど.......今がシンドイ!!」
「はいはい、よく頑張ったねー。偉いねー。お姉ちゃんが頭撫でてあげよう」
うがー!憐みの目で私の頭を撫でるな!!!
「私は子どもじゃない!!」
「まだまだ陽凪ちゃんも私からしたら子どもだから」
こちとらもう20歳ぞ!お酒飲めるようになったんだぞ!!!!
「去年の忘年会で私が朝帰りした時なんて泣きながら玄関に寝てた子が子どもじゃない、ってね?」
「泣いてない!!」
なっ.......!?今その話題を掘り起こすのはダメでしょ!?私の黒歴史の一つだぞ!!
「思いっきり涙の跡が残ってたし、寝言で『寂しい.......。まだ帰ってこないの?』って言ってた子だからな~」
「待って!私そんなこと言ってたの!?!?!?」
「言ってたよ?だから2日酔いで死にそうな私がなんとか陽凪ちゃんをおんぶして、部屋に連れてって添い寝してあげたじゃん。なのに起きたらすぐ『お酒臭い!!!酔っぱらいは出て行け!!』なんて言うからお姉ちゃん悲しくて.........」
「だってお酒臭かったから仕方ないじゃん!!!」
起きた時隣に紗耶香さんいた時はすっごい嬉しかったけど.......どんだけ飲んだの?ってレベルでお酒臭かったからしかたなかったじゃん。
「だから私にとってはまだ陽凪ちゃんは子どもで良いんだよ。寂しくなったらいつでもお姉ちゃんの胸の中に飛び込んで来て良いからね」
このままじゃ紗耶香さんの手の平の上で転がされるだけだから逃げる!!
「さ、寂しくなることなんてないから大丈夫です!!!!!!」
速攻で自分の部屋に逃げる!!!
ほんと寂しくて泣くなんてどんだけ子どもなんだよ私.........。
「もう.....。逃げちゃダメでしょ?」
「え!?!?!?!?なんでいるの!?!?!?!?」
自分の部屋に逃げ込んだ時鍵もしっかりかけたのに.......なんで??????
「それはもちろん鍵を持ってるからだよ?」
「なんで持ってんの!?」
「だって........。陽凪ちゃんは2回の前科持ちだから、自分の部屋でバカなことさせないため」
うぐっ..........。持ってる理由が正論過ぎて言い返せない............。
「ほら、はぶててるお子ちゃまな陽凪ちゃんはこっちおいで」
そう言って紗耶香さんはベットで転がってる私を抱きしめてくれる。
「........................はぶててない」
反抗したいけど、すっごい落ち着くから抜け出せない...............。
「よし!じゃあご飯にしよう!!!」
「...................うん」
そのまま紗耶香さんがダイニングに連れてってくれる。
ご飯は私の好きなハンバーグとか色々ある。でも.............目を引くのは................。
「あの......紗耶香さん?これ........何???」
「何ってお酒だよ?」
いや、それは見て分かるけど。けど!!!!
「テーブルの半分以上を占拠するお酒の量はおかしいでしょ!!!全部飲む気なの!?!?」
これ全部飲むなんてアル中どころじゃないよ!!もうアル中を超えた何かだよ!!
「さすがに全部は飲まないよ。だって全部飲み切ったらさすがに死ぬよ」
真顔でそんなこと言われても、用意したのはあなたなんですけど.......。
「これは陽凪ちゃん用だよ?ここにあるもので好きなもの飲んでみて?」
「好きなの飲むって........?」
「これから陽凪ちゃんと飲みに行くことが増える......というか私が強制的に連れて行くから慣れさせなきゃって思ってね。色んな種類のお酒用意したから好きに飲んで、耐性をゲットしよう!って感じかな?」
「かな?じゃない!!私全然お酒飲めないの知ってるでしょ????」
こちとらアルコール3%のお酒で結構酔う人間なんですけど!?3%の酎ハイはジュース!とか言ってる人間と一緒にしないでくれます!?!?!?
「知ってるけど、ウイスキーをロックで飲んだり日本酒飲んだりしていけば強くなるよ?」
いや、そんなことは絶対にないから!!!
「私の実体験だけど?」
何も言えねえ!!!!!
「じゃあ飲もうか????」
ウイスキーを押し付けるな!日本酒を注ぐな!!!
ええい!こなったらヤケだ!!!!!!!!
――――――
はい。案の定速攻で酔いつぶれた私です。
最初のビールを一気飲みしてから全く記憶がない...........。朝ダイニングの惨状見る限りは空の缶とか瓶とか転がってるから結構やったらしい........。
「おはよー陽凪ちゃん..........。ちょっとお水くれない.......?」
「ほい」
ふらふらとした足取りで現れた紗耶香さん。なんかすっごい疲れてる???
「..............ふぅ。そうだ陽凪ちゃん」
「何?」
昨日のこと?私なにか醜態晒した!?!?!?
「私がいないところでお酒飲んじゃダメだからね。絶対だよ?」
「何で.....?」
そんな弱かったってこと......?
「昨日のこと覚えてないの.........?」
「ひとかけらも覚えてないよ?」
「そう.....................。なら聞かない方が良いよ」昨日の陽凪ちゃんすっごい可愛かったけど.......あれはお持ち帰りコースだから」
どういうこと?お持ち帰りコースって何!?
「それ詳しく知りたいんですけど!?」
「あんなことされたら..................うん。落ちない方がおかしいね」
どういうこと!?私そんなにヤバいの!?!?!?知りたいんだけど!!
「絶対言わない。あんな可愛い陽凪ちゃんは私の思い出boxの中に永久保存だから」
「永久保存しなくて良いから教えて!!」
「やだ!!!」
「なんで!?!?!?!?」
それから何とか吐かせようとしたけど全然教えてくれない............。1回は諦めたけど、ずーっとこっちをニヤニヤしながら見てくる変態がいるからとりあえず胸ぐら掴んで思いっきり揺らしてやった。
でも本当になんだったんだろう.....?今度美咲と飲みにいって教えてもらおうかな???
「ところで陽凪ちゃん?」
「二日酔いで死にそうな紗耶香さん、どうしたの?」
「二日酔いは治るから大丈夫.........。吐きそうだけど........。そんなことよりもね?」
「そんなことよりも?」
この変態な酔っぱらいのお世話より大切なこと???
「今って幸せ???」
「幸せではないけど、この生活は楽しいよ?」
「そっか...............私も同じだよ。じゃあ私はもう一回寝るから.......。おやすみ」
そう言って寝室に戻っていく。
でもあの質問って何だったんだろう?
たしかに私の幸せはもうなくなった。でも今の生活はすっごい楽しい。
家には紗耶香さんがいる。
大学に行けば友達がいる。
離れた場所にいるけど、美咲だっている。
ここにお母さんや沙那ねぇがいれば完ぺきだった。でも、それはかなわないって知ってる。
だから私は幸せにはなれない。でも、今の生活を手放したくないくらいには大好き。
本来であれば更新してはいけないのですが......久々に小説情報を見たら10万PV超えていたので、その記念です。
自分の中ではここまで伸びるなんて思っていなかったので、今まで読んで頂けた皆様に感謝しかありません。ありがとうございます。




