13話
うん。案の定栞里さんは今日の朝復活した紗耶香さんから制裁をくらってた。
朝からボコボコにされたあげく、帰りの車の運転の3分の2以上は栞里さんの担当となったから少しは懲りたかな???まぁ昨日のは私と話すためにわざと紗耶香さんをつぶしてたけど、1割くらいは悪戯でやったと私は思ってる。
そんなこんなで終わった私達の旅行。
栞里さんからの嬉しくも心配になることを相談はされたけど、栞里さんは栞里さんで幸せになれば良いと私は思ってる。
別に紗耶香さんに遠慮する必要なんてないんだしね。
そういえば栞里さんは付き合ってる人がいるってことを紗耶香さんに伝えてないっぽい。でも紗耶香さんは何か気づいてるっぽいけど。
何で気づいたかは分からない。でも車の中でもなんか恋愛とか結婚のこととかを話してたから誘導頑張ってたけど全然栞里さんが話さない。
早く話せば良いのにって思うけど、覚悟が決まらないみたい。
もうそろそろ家に着くよ?ずっと言えないままになるよ???
..........................................うん。これは多分言えないまま解散することになりそう。
「ふー-っ!つっかれたぁぁああああ!!」
「栞里の自業自得だからね」
「それを言われると何も言えないけど..............けど何回も言う!疲れた!!!」
昨日の紗耶香さんの方がつかれたと思うけど........。まぁそういうことにしとく。
「あー、陽凪ちゃん。ちょっと私コレと話があるから先に荷物を家に運んでてくれない???」
「いいよー」
「じゃあよろしく!ほらあっち行くよ栞里!!」
「.............へ?ちょ、ちょっと待ってよ!!!私もしかして人目のつかないところで何かされる!?!?」
「栞里さん、生きてれば良いですね......」
「ひ、陽凪ちゃん!私を勝手に殺さないで!!現実になるから!!!!」
「ん?私は別に現実にしても良いけど警察に捕まるのが嫌なんだよね.............」
「怖い!!私行きたくない!!!!!」
「そう言わずに行くよー」
漫画のように栞里さんは紗耶香さんに首根っこ掴まれて引きずられてく。
....................絶対脱出できるのにされるがままってことは受け入れてるんだなー。
それじゃ私は紗耶香さんの分の荷物も家に運びますか。
――――――
あれ?車が出て行く音がしたけどもしかして栞里さん帰っちゃった???
「遅くなっちゃってごめんねー」
「全然大丈夫。もしかして栞里さんって帰った?」
「うん、帰ったよ」
「そっか」
何があったんだろう........。私に顔を見せれないとか???...............そんなわけないか。
「そういえば陽凪ちゃん。栞里が私をつぶした理由知ってたでしょ???」
それは知ってたけど.........。
「うん。でも...........」
「大丈夫。全部聞き出してきたから」
あらま、かわいそうに...................。でも自分から言えなかった栞里さんのせいでもあるからね......。
「紗耶香さんからは何か言ったの?」
「とりあえずおめでとうって言っといたよ」
まぁ紗耶香さんならそう言うよね。
「で、他に何か言われた?」
「当然陽凪ちゃんも聞いたことを聞いたよ」
「どう思った?」
ここが問題。紗耶香さんにとってはデリケートな問題だから.............。
「あんたの親友なめるなよ、って言ってビンタかましてきた」
......................え?
「親友のめでたいことを祝えないほど私は落ちぶれてない!!それに私は私!栞里は栞里なんだから気にする必要なんてないのに!!あの子はいつも変なところで気をつかうから!!!!!」
.......................なんかすっごい怒ってる。
「たしかに私は栞里から見ればそうかもしれない。けどね、私を可哀そうな人扱いはしてほしくない!!だって私を可哀そうってことはさーちゃんを侮辱してると同じ!!!私はさーちゃんに一生分愛された!!短い時間だったかもしれないけど、それでも私は地球の誰よりもさーちゃんを愛してたし、さーちゃんも愛してくれてた!!!なのに!なのに!!!!..............そんな私を可哀そうな人扱いするってことはさーちゃんから愛されてなかったってことを言われてるのと同じだからそれだけは許さない!!!」
「私に気をつかう暇があるなら彼氏に愛されていれば良いんだよこのバカ!!!!!........ってのを時々胸ぐらつかんだりしながら伝えたよ。そしたら栞里ってば人前では滅多に泣かないのに、『ごめん』とか『ありがとう』って言ってたよ」
「まぁ色々私もしたし、栞里も泣いたから陽凪ちゃんには悪いけど先に帰るってさ。それに最後に『今から彼氏のところに行って慰めてもらいに行け!!』とも言ったしね」
....................なんか思ったよりもすっごい過激だったんだけど。
「それよりも、私は陽凪ちゃんが言ってくれたこと嬉しかったなー」
栞里さんに言ったあのこと聞いたの!?!?!?
「待って!!!それ以上はダメ!!!!!」
「なんで?これからもずっと一緒に生きたいって言ってくれたんだよ?これはもう愛の告白でしょ!?!?!?」
「........................っ!!!!!!!!」
聞かれないって思って色々言ったのになんで栞里さん言うかな!?!?!?そこは秘密にしてよ!!
「そんなに恥ずかしがらないの。私嬉しかったよ???」
そりゃ嬉しいかもしれないけどこっちとしては恥ずかしいんだから!!!!!
「ねぇ、もう1回私の目の前で言ってくれない???
「無理!!!絶対無理!!!!!!!!恥ずかしすぎる!!!!」
「えー?そこは言ってくれる流れじゃないの?」
「無理なものは無理!!!!!」
そうだそうだ!!無理なものは無理なんだから諦めて!!
「じゃあ仕方ないなー。私から言ってあげるよ」
「ねぇ陽凪ちゃん?これから私達にはきっと1番の幸せは感じれないんだと思う。でもね人生で2番目くらいの幸せは感じれると思うんだ」
「だから陽凪ちゃん。私に陽凪ちゃんのこれからの時間をくれない?私が陽凪ちゃんを幸せにはできないかもしれないけど、生きてて良かったって思えるくらいには幸せにするから。だからこれからも一緒に何があってこうやって生きていこう?」
「時には喧嘩をしたり、時には心の傷をなめ合うかもしれない。でもそれが私達。他人には理解できないも当然だし、理解されたくもない」
「だからこれからも2人で一緒に生きていこう?何があっても、どんなことがあってもずっとずっっっっっっっとね」
..........................こんなの返事は1つに決まってるじゃん。
でも言葉で返すのは癪。だから行動で表す。
滅多に自分からやったことなかったけど、今の返事としては最高なんじゃないのかな???
はやる鼓動を抑えつけながら覚悟を決める。
恥ずかしさは一旦家の外に投げとけばすぐには帰ってこないから大丈夫。
ただ軽く触れるだけのキス。紗耶香さんはすっごく驚いてる。
でも肯定の意味を込めるものとしては最上級なはず。
「私も何があっても紗耶香さんと一緒にずっと生きていくよ」
これで今度こそ終わりです!!読んでくださった皆様ありがとうございました!!!
 




