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私と義姉で嫁との歪な生活  作者: 夕暮れ
1歩踏み出した後のお話
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9話

 今日も学校終わり!!


 なぜか知らないけど今日は美咲に強制的にバスケ部に連れていかれてずーっとミニゲームばっかりしてた。


 おかげで明日は確実に筋肉痛決定.........。帰宅部なめんなよ。


 それにしてもこんなに遅く学校を出たの結構久しぶりかも。


 いっつも授業が終わったらそのまま家に帰って、ご飯作ったり、家のことしたり、時々家の近くを散歩したりしてるからなー。


「おぉー、今日も星が綺麗.......ってあれ?月がない.......」


 いや、そんなことはないって分かってる。


 月が見えないってことは今日は新月。これから輝こうとするポジティブの塊な新月。


 満月のように輝けることに憧れて、自分もこれから輝こうとする新月。


 もう私には絶対に真似できないからすごいなって思う。


 ..........................自然の摂理だから月の意思は関係ないって?


 その通りだけど、少しぐらいはこんな感じに思っても良いじゃん。


 あんなに輝ける未来があるだけで幸せなんだから。


 ――――――


「たっだいまー!!!!!!!!」


 ちなみに紗耶香さんは今日はなんか早く帰れるらしいからもう家にいる。


「おかえりー!玄関に消毒液置いてるからそれ使ってー!」


 む?消毒液???


 いや使うけどなんで消毒液???


「ただいまー紗耶香さん」


「お帰り陽凪ちゃん」


「なんで消毒液置いたの?」


「今うちの職場で少しずつインフルが出て来てね、私がなるの怖いから置いたよー」


 なるほど........。社会人がインフルになったらめんどくさいもんね。私みたいな学生なら多分嬉しいばっかりだけど!!


 だって学校公認で1週間授業休めるんだよ!!熱さえ下がれば後は天国だよ!!!!


 ゲームでも小説でもSNSでもドラマでも何でもありの楽園!!!!


「そういえばうちの学校でも少しずつ流行ってるらしいから一応気を付けるね」


「一応って............」


「だって学校休めるんだよ?」


「宿題たくさんたまるから大変なことになるよ」


「それは言わない約束でしょー」


 現実逃避くらいはさせてよー。


 ..............そうだ。紗耶香さんにあれ聞いてみよ。


「ねー紗耶香さん」


「んぅ?」


「新月と満月、どっちが好き?」


「どうしたのいきなり?」


「だって今日が新月だからなんとなく?」


「なるほど........」


「ちなみに陽凪ちゃんは?」


「私は新月かな?満月にはもう二度となれないから。もう輝けないから、かな?」


 沙那ねぇが死んでからの私はもう輝くことができない。自分から何かをしようとも思えなかった。だから新月の方が好き。


「うんうん...................。私は満月、かな?」


「どうして?」


 結構意外。なんでだろう?


「ごめんごめん。満月っていってもこれから欠けていく満月の方が好きかな?だって満月は輝いてる。輝いてるのにその輝きをドンドン誰かに渡して渡して渡しまわって最後には輝けなくなるんだよ。まるで自分のことよりも大好きな人のために全部を分け与えてあげて、自分には何も残らないのに全部全部あげて、なのに満足そうに笑って見守るんだよ」


 あぁ........私は()()()...................ううん()()()()を知ってる。


「でも私はそんなところが大好き。だから私は欠けゆく方の満月が好きかな?」


 寂しそうに笑う紗耶香さん。


 私と同じくらい..........いやそれ以上に沙那ねぇのことが好きな紗耶香さん。この瞬間隣にいてほしい人はきっと私じゃない。沙那ねぇに隣にいてほしいに決まってる。


 もちろん私だってそう思ってる。


 もう1回あの笑顔を見たい。仕方ないなぁって顔しながら頭を撫でてほしい。陽凪は甘えん坊なんだからって言いながら抱きしめてほしい。


「......................寂しいね」


「...........そうだね」


 今はいない人に縋って生きるのはダメだって分かってる。


 でも.................。


 でも、そんなのは無理。


「............お風呂入ってくる」


「うん。ゆっくりね」


「うん」


 私達の時間は決して進むことがないんだろうね。

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