8話
「紗耶香さん!!今日暇!?今から暇!?!?暇だよね!?!?!?一緒に遊びに行くよ!!!!」
今日は12月27日!!クリスマスは終わってお正月を迎えるのを待つ日だけど私にはやりたいことがあるのだ!!
「いや、あの、陽凪ちゃん?今何時だと思ってるの?」
「うん?19時過ぎたくらい」
そんな分かりきったことを聞くなんて紗耶香さんらしくないなー。もしかして少しボケた??まだ30代にもなってないのに???
「そうだよね。もう夜だよね」
「うん夜だよ」
「..................なんで今なの?」
なんで今なのかって???それにはちゃんとした理由があるんです!!
「さぁ紗耶香さん!今日は何日でしょうか?」
「今日は.............12月27日ね」
「そう!今日は27日!!クリスマスはもう過ぎたのです!!!」
「うん」
実は今年も私と紗耶香さんはクリスマスっぽいことはしてないんだよねー。ケーキは食べたけども、特別どこかに遊びに行ったりとか、ご飯を食べに行ったりもしてないからねー。
まぁ私の終業式が24日で紗耶香さんも仕事でドタバタしてたから仕方ない。
でも今日だからこそ意味がある!!!!
「今日はもうクリスマスは終わってる!!!」
「うんうん」
「ならイルミネーションを見に行くのに人は少ないしリア充も少ない!!!」
「別にクリスマス以外でも人は多いと思うよ?」
紗耶香さんや、クリスマスじゃないからバカップルとかは少ないんだよ........!!!こっちの方がゆっくりイルミネーションが見れるんだよ.........!!!
「だいたい歩いてゆっくり見たいけどクリスマスなら絶対人が多いんだもん!!!!だから今日行くの!!」
まぁぶっちゃけ私はイルミネーションが好きかと言われたら微妙ではある。綺麗だなーって思うくらい。
でも紗耶香さんと行くから意味があるんだ。こうやって紗耶香さんとの思い出を増やしていきたいんだ。
沙那ねぇやお母さんとの思い出は沢山ある。例えもう会えなくも私の胸のかなにはたくさんの思い出が詰まってる。
でも紗耶香さんとの思い出はまだまだ少ない。
だから思い出を作りたいんだ。
あの時一緒に行ってたらなーっていう後悔なんてしたくないから。
だから今日このタイミングが良いと思ったんだ。
「...................仕方ない。21時までには家に帰るようにするなら行こっか」
「やった!!!じゃあ着替えてくるからちょっと待ってて!!!」
これで思い出が作れる!!!しかも学生時代の私と紗耶香さんの思い出が........!!
――――――
「ねぇ陽凪ちゃん?さすがにその格好は危ない気がするよ.............?主に私が国家権力に連れていかれるかもしれないって意味でもある」
何を言うか!?!?これは由緒正しき服だよ!?誰にも怒られない服だよ!?!?しかも学生時代にしか着れない制服なんだよ!?!?
今しか着れない制服なんだから良いじゃない!?!?
「あれ?もしかして紗耶香さんも制服着たかった?」
「さすがにこの歳で制服はね...........」
「紗耶香さん最後に制服着て10年くらい経ってるもんねー。色々変わってるだろうからやっぱり着れないよねー」
「................陽凪ちゃん?」
ヤバッ!?!?地雷踏んだ!?!?!?
「そうかそうか。そんな酷いこと言う子にはお仕置が必要だねー」
「と、とんでもないです......!!なにかの誤解なんです..........!!!」
「問答無用」
そういうと紗耶香さんはさっきからはぐれないようにって繋いでいた手を話すと私の指を曲げちゃいけない方向に曲げ始めた。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!待って!ほんとに骨折れるから!!人間の指ってそっちにには曲がらないから!!!曲がっちゃいけない方向に曲げようとしてるから!!!」
「反省した.......?」
「した!!したから!!!もう許して!!!!」
ほんとに痛いの!!過去最高に痛いってこれどういうことよ!!!!
「..........まぁこれぐらいで許してあげよう」
............ふぅ。なんとか助かった............。ってあれは?
「あれは........イルミネーションでできた家だ!?!?それにイルミネーションでできたアーチもある!?何これ綺麗!!!!」
思ったのよりもすごい豪華なんだけど!?!?,こんなにここのイルミネーションってすごいの!?!?
「............あれ?陽凪ちゃんここ来たことないの?」
「うん!ない!!」
「そっかそっか。なら一緒にそこの家の前で写真撮ろうか?」
「うん!!」
私は今めっちゃテンション高いからなんの許せる気がするぞ!!
紗耶香さん近くでイルミネーションを見てた人に声をかけて写真を撮って貰うようにお願いして、実際に撮ってもらえた。
そこに映るのは満面の笑みを浮かべた制服を着た私と、優しく微笑んでくれてる紗耶香さん。
これ1枚だけで今日の目的は果たされた気がする。
でもこれだけじゃ足りない。もっと写真を撮ったり、一緒に歩いて思い出を沢山作りたい。
「次は.......船だ!!!おっきいーなー!!!」私の身長をはるかに超える船が見えた。
思わず何枚も写真を撮る。
さっきまでは紗耶香さんが私の手を引いてくれてたけど今では私が紗耶香さんの手を引っ張ってる。
私が色々連れ回してる状況だけど紗耶香さんは笑顔で許してくれる。
なら私のやることはこのまま時間になるまでイルミネーションを堪能すること!!!
それからは飛行機、馬車、ソリ、トナカイとかを見てまわった。
もちろん写真もいっぱい撮った。でも1番行きたかった所にはまだ行けてない。
1番行きたい所。それは大きなもみの木を元にしたイルミネーション。
ここで2人の写真を撮りたい。出来れば自撮りと誰かに撮ってもらった2つの写真が欲しい。
やりたいことがあるからね。
「すみませーん!!あそこの木の下で写真撮ってもらっても大丈夫ですか?」
たまたま近くにいた人達に今度は私が頼む。私のスマホで撮らないと意味がないからね。
そうして撮ってもらった写真を確認してお礼を言って帰ることにする。
少しだけ時間オーバーしちゃったけど紗耶香さんが何も言ってないから大丈夫!!私の隣で満足そうにしてるかれきっと大丈夫!!!
ご飯は適当にコンビニで買えば良いしねー。
..................それよりも私がしたかったこと。それは1番最後に撮った写真を加工すること。
最後に撮った場所にはこんな迷信がある。
あの木の下で永遠を誓い合った者同士が並ぶとその願いは叶う,っていう迷信。
正直信じられないものだと思う。でも今回ばかりはその迷信に縋ってみた。
私のこの気持ちが変わりませんようにってね。
だからどうしてもあそこで写真が撮りたかったんだ。あの場所を見つけてからはずっとそう思ってた。
だから最後の作業。
大きなもみの木の下で笑い合う私達の写真。
そこに私は1文だけ追加して紗耶香さんに送る。でも送るのは1枚だけ。今から書くのは絶対に誰にも見せられない。
だってこの言葉はきっと呪いなのかもしれない。でも私にはお似合いの言葉。
1枚目
『私のこの気持ちは永遠に変わらないからね』
これが渡す方。
2枚目
『あなたに依存しても良いですか?』
こっちは私の中だけで留めておく本音。
2つの作業を終えて、渡す用の写真だけを紗耶香さんに送る。
そして私の本音が書かれた方は厳重にロックして誰にも見られないようにする。
だってこれは私の汚い本音なんだから。




