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私と義姉で嫁との歪な生活  作者: 夕暮れ
1歩踏み出した後のお話
66/74

6話

皆様お久しぶりでございます。楽しんで読んで頂けると嬉しいです!!

「陽凪ちゃん!今から外に行くよ!!」


 .................え?紗耶香さん今何時だと思ってるんですか?もう23時も過ぎてるんですけど???私ねむたい、ベッドに行きたい。


「なんで外に行くの?」


 とりあえず理由だ。くだらないことなら絶対について行かない!!私は寝るんだ!!!


「今日ってぎょしゃ座流星群が綺麗に見れるらしいよ?だからそれ見に行こう!!」


 ぎょしゃ座?なんだそれ?星座に疎いかもだけどそんな星座私知らないぞ?


「あっ!!その顔は信じてないな!!」


 当たり前です。私はねむたいんです。魅惑のベッドが私を呼んでるんです。


「これ見て!ちゃんと載ってるでしょ!!」


 ..............ほんとだ。なんかまともっぽいサイトに書いてあるね。


 ..................なになに、活動が予測されるため綺麗な流れ星が見えるでしょうって......確実な予報じゃないかもしれないじゃない!


「ねぇ陽凪ちゃん!見に行くでしょ!!」


 どうしよう。流星群は見てみたい気がする。でもねむたい。


「じゃあ紗耶香さんが私の眠気取ってくれたら行ってあげるー」


「分かった!!」


 そう言った紗耶香さんがすぐに私の目の前にくる。


 そして隣に座って私の耳に顔を寄せてくる。


 小声で何か言われた程度で私は起きないぞ???


「陽凪ちゃんの貧乳ー。私や沙那にも及ばない貧乳―」


「なっ!!!!!!!それどういうこと!?!?!?!?ちゃんと私のは平均はありますぅぅぅううう!!!!!」


「でも平均でしょ?ほら見て?」


 そうやって私の目の前でその無駄に大きいものを持ち上げるな!!!!!!!!


「私大きい、陽凪ちゃん小さい=陽凪ちゃん貧乳」


「胸は大きさだけじゃないんです!!形とか身体とのバランスが重要なんです!!!」


「でもほら、一緒にお風呂に入った時見てるでしょ?どうだった?それに私それなりに身長高いからバランスだっておかしくないでしょ???」


 ................くそっ!!!欠点が今のところ見当たらない!!!


 なんで神様はこんな不平等なんだよ!!!私にだってもう少しくらいくれたって良いじゃない!!!


「いつか絶対その無駄にでかいものもぐから!!!」


「あれあれ?陽凪ちゃんに私の胸を触る度胸なんてある???」


 煽りやがってぇぇぇえええ!!絶対もぐ!なにがあってももぐ!!!


「それで陽凪ちゃん、目は覚めた?」


 おかげで目が覚めたよ!!誰かさんが盛大に私のことを煽ってきたからね!!!


「あっ!ちなみに都市伝説だけど私は実際に大きくなった方法を教えてあげる」


 何それ!?聞きたい!!


「恋愛をしてみることだって」


 ....................................................................。


「あははっ!陽凪ちゃんの顔真っ赤!!」


 誰のせいで顔真っ赤になってると思ってる!?!?!?


「私は真剣だからね」


 .................ズルイ。これはズルイよ紗耶香さん。


 だって


「私も...............まだ...........................心の整理...............................ついてない.....................................けど..................................私も、本気、だから」


 まだ、紗耶香さんほど真剣には考えられてないかもしれない。こんな経験なんて初めて。でも、私は私なりに考えた。考えた結果がこれなんだから後悔なんてない。


 ......................沙那ねぇに怒られるかもしれないけど。


「ありがと。それじゃあ流星群見に行こ?」


「..............うん、いいよ」


 .................................せっかくなら今の流星群の下で言えば良かったな。



 ――――――


「見て!結構綺麗に流れてるよ!!」


 あれから街灯が少なくて、それなりに高い場所に来た私達。


 上を見上げると今流れ出したって感じの星たち。


「ほんとだ.......綺麗.............」


 よくテレビで見るような次から次へと黒く広がる夜空いっぱいに流れる流星群じゃない。どちらかといえばポツリポツリと流れる感じ。


 でもそれが良い。


 多く見られるのも良いかもしれない。でも私からしたら一つ一つの流れ星を見ていられるからこっちの方が好き。


 一つ一つの星が埋もれることもなく、存在感を主張できるこっちの方が好き。私はここにいるよ。私のことを見てって思えるから。


「ねぇ、陽凪ちゃん?」


「なあに?」


 スマホで写真を撮ってた紗耶香さんが画面から目をそらさずに聞いてくる。


「死んだ人は星になるって話、信じてる?」


 たしかに小説とかドラマとかで聞くね。...........そんなこと考えたことなかったな。


「私は信じてないよ」


 そうなんだ。なんでだろ?何か理由があるのかな???


「だってそしたらさーちゃんは絶対に会いに来てくれるもん。さーちゃんの姿を持ってないかもしれない。でも星の光で私や陽凪ちゃんを絶対に照らしてくれる。陽凪ちゃんが落ち込んでたり、悲しんでたりしてたら流れ星を発生させて元気づけるはず。私はここにいるよ、だから安心して生きてねって言って満点の輝きを見せるはずだもん。私や陽凪ちゃんが気づくようにね。でもそれはない。だから私は信じてない」


 そっか.........。そんな理由か。たしかにその理由なら死んだら星になるってのは信じれない。でも私は.......。


「私は、信じてるかな?何となくだけどね?」


「どうしてか聞いても大丈夫?」


「何となくなんだけどね、星の光ってずっと昔に輝いたものが長い年月をかけてここにたどり着いて、それを私達が見てるってのを聞いたことがあるんだ。ってことはね、昔の姿そのままを私達は見てるの。それってさ死んだ人に似てない?私達の中に生きてる沙那ねぇやお母さんだって昔の姿しかないんだ。沙那ねぇやお母さんの時間は止まってるの。2人の成長した姿はもう二度と見れないの。なんかね、そんな変わらないところ、が似てるなって思ったの。ごめんね分かりにくくて」


「ううん...................分かったよ。たしかに似てるかもしれないね。でも、それでも私は信じない」


「...............うん。それで良いと思うよ」


「..............................手つなごっか」


「................................うん」


 それから流星群が終わるまで私達は手を繋いだままずっと見てた。


 会話なんてなかった。ただただジーっと見てた。


「ねぇ陽凪ちゃん?」


「なに?紗耶香さん」


「......................なんでもない」


「ふふふっ、なにそれ?」


「なんとなく呼んでみただけ」


「ふーん」


「......................ねぇ紗耶香さん?」


「なーに?」


「なんでもない」


「真似したなー」


 バレた.........。まぁいいじゃないですか。


「それじゃあもうそろそろ帰ろうか」


「...........うん」


 そう言って紗耶香さんは一度手を離して立ち上がる。


「はい、どうぞ!」


 手を差し伸べてくれる。


 私を救ってくれた小さいけど頼もしくて、温かい手を差し伸べてくれる。


 そんな手を私は握りしめる。


 沙那ねぇやお母さんのようにもう二度と離さないように。



今回物語にでてきたぎょしゃ座流星群ですが実際は本日の午前6時頃が見頃だそうですが、ほんとに流れるかは分かりませんが、そこは創作ということでお願いします........。

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