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私と義姉で嫁との歪な生活  作者: 夕暮れ
1歩踏み出した後のお話
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4話

復帰したら投稿すると言いながら違うものを投稿してた人です。お久しぶりです。

 あっ..........雨が降ってきた。


 今日の天気予報は曇りだったのになんで帰るタイミングで雨が降って来たんだろ。


「陽凪ちゃんと傘持ってきたか?」


「残念ながら持ってきてないんだよねー」


「私の使う?どうせ部活で遅くなるし、最悪練習着で帰れば良いし」


「さすがにそこまで美咲にお世話になるわけにはいかないから大丈夫」


 そんなに雨は強くないし大丈夫でしょ。ゆっくり歩いても40分もかからないしいけるでしょ。


「んー、そういうことならもう何も言わない。けどくれぐれも!帰る途中で転ばないように!!」


「小さい子どもじゃないからさすがに大丈夫だよ」


 そこまで私信用ない?...........って思ったけど色々やらかしてきてるから否定できないのがつらい。


「じゃー私部活行くから気を付けて帰れよー」


「もちろん。美咲は部活頑張ってね」


「おう!じゃっまた明日」


「また明日」


 さて帰りますか。


 絶対濡らしたくないものは...........特にないね。タオルとかファイルとか上手く使えばなんとかなるでしょ。


 それにしても梅雨とはいってもせめて天気予報通りになってくれないかな?


 明日からはカバンの中に折り畳み傘入れておこ。紗耶香さんにもちゃんと言っとかないとね。


 ....................ん。なんか気持ち良い。


 少しずつ制服が濡れていく感覚。頭が重くなってくる感覚。そして少しずつ冷えていく身体。


 すれ違う人に変な目で見られるけど気にしない。


 まぁそりゃ雨が降る中、傘も差さずにゆっくり歩いてる女子高生がいるんだから。私だってそんな人見たら正気かどうか疑う。


 それにしても意外に雨に打たれるって良いね。余計なことを考えずに歩ける。


 あっ..................雨が強くなってきた。しかもこれ土砂降りになるやつだ。


 さすがにここまで降られるとカバンの中身が大変なことになるよね。でもまだ雨に打たれていたい。


 ................紗耶香さんが帰ってくるのはもう少し後だから1回家に帰ってカバンを放り込んできてもう1回外に出ようかな。


 スマホは.............なんか袋の中にでも入れてポケットにでも入れとけば大丈夫でしょう。


 ということで急いで家に帰りましょ。


 ――――――


 無事自分の部屋にカバンを放り込んでまた家を出る。


 雨は全然弱くなってないし強くもなってない。というかこれ以上強くなられても困る。


 家の周りを歩きまわって、公園まで行って帰ってくれば多分1時間で帰ってこれるでしょ。


 さっきよりも強い雨の中またゆっくりと歩き始める。


 アスファルトの道は黒く変色して草花はどこか嬉しそうにしてる。私に植物の気持ちなんて分からないし、見た目からは違いなんて全然分からないけど、なんか感覚的にね。


 梅雨の時期だから夕方でも冬ほど暗くはない。でも街灯に少しだけ雨が彩られてる。


 そんな中を私は歩く。


 雨の日だからこそ見える景色があるって気づけた。


 いつもは陽が差してて気づかないことがたくさんあった。


 実は葉っぱは日差しのおかげで綺麗に見えるってこと。いつもは日差しの照り返しがしんどいアスファルトは雨が降ると心地よい音を鳴らしてくれること。水たまりに映る自分の顔が実は酷く滑稽に見えること。汚く濁った川の色は私の心に似てるってこと。


 たくさんのことに気づけた。


 なんか楽しいな。こうやって雨が降る中歩きまわるなんてしたことなかったから。


 おっと。気づいたら公園に到着。


 ここには東屋があるからいったんそこで休憩しようかな?


 ....................あっ!この東屋に雨が当たる音好きかも。


 それにしても靴、大変なことになってるね。


 公園の中は水を吸った砂だらけだからもう靴がドロドロ。拭いたらちゃんととれるかな?


 うぅぅ寒っ!!さすがに雨がたくさん浸み込んだ制服が肌に張り付くわ、髪はもうお風呂上りなくらいに濡れてるし、制服で覆われてない肌は直接雨や風が当たるから余計に寒い。


 でもなんか気楽なんだよなぁ。寒いんだけど今の状況に落ち着いてるっていうか安心してるっていうか、そんな状態。


 そういえば私どれくらい散歩してたんだろ...................ってヤバッ!!1時間半以上たってるじゃん!!これじゃもう紗耶香さん帰ってきてるよ!!


『陽凪!今どこ!?』


 うわぁ.........美咲から鬼の連絡きた。これもう私が家にいないことを紗耶香さんから相談されてるよね。


 そもそも私がこの時間まで家にいないなんてありえないもんね。


 .....................ごめんなさい。


『また妙なことしてるんじゃないだろうな!!』


『すぐ返事しろ!!』


『頼むから早く連絡してくれ!!』


『私じゃなくても良いから!!』


 ..................ちょっと覚悟を決める時間が欲しかっただけだよ。


『美咲私は大丈夫。ちょっと散歩してただけだから』


 これで良しっと。でもまだ部活中だよね?よく紗耶香さんの連絡に気づいたね。


『このバカ!!心配したんだぞ』


『ごめん』


『謝るのは私じゃなくて紗耶香さんにしろっ!!すっごい不安そうにしてたんだぞ!!』


 ...............本当にごめんなさい。ただの出来心なんです。


『分かった。ありがとう美咲』


『明日学校で会ったら説教な』


『お手柔らかにお願いします』


 ほんとにお願いします。


 それじゃあ連絡しますか。電話でしたほうが良いよね。


 .....................つながった。


『もしもし陽凪ちゃん!?どこにいるの!?!?』


『今家の近くの公園にいるよ。心配かけてごめんなさい』


『................良かったぁ。怪我してない?』


『そこは大丈夫。ちょっと散歩してただけだから』


 傘を差さずに濡れながら歩く散歩だったけどね。


『家に帰ったら陽凪ちゃんいないし、カバンは部屋にあるのに傘は家におきっぱだしですっごく心配したんだからね!!』


『................ごめんなさい』


『陽凪ちゃんが無事ならそれで良いの。もう帰ってくる?』


『うん。そのつもり』


『それじゃあ気を付けて帰ってきてね』


『はーい』


 それじゃあ帰りましょうか。


 ちなみにずぶ濡れで帰ってきた私を見て紗耶香さんが驚いてそのまま説教されながらお風呂に放り込まれて洗われたのは当然の結果でした。そしてあそこまで濡れてたら当然のごとく大熱を出しました。紗耶香さんの説教が2倍になったのは必然で、それに関連して美咲の説教も2倍になった。


 反省はしたけど後悔はしてない、次もやるつもり。このことを伝えたら説教が大変なことになるんだろうなーって熱に魘されながら思ったのが最近の私です。




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