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52話

 昨日は良い一日だった。


 久しぶりに陽凪ちゃんと一緒に過ごせてほんと楽しかった。


 そして今回のことで私には陽凪ちゃんが必要なんだってことがはっきりと分かった。心の支えとして、家族として、そして恋愛的な意味でも。


 多分これは私が陽凪ちゃんに依存している証明にしかならない。それにこの思いが陽凪ちゃんにとっては重すぎるものかもしれない。その時はきっぱり諦める。陽凪ちゃんが選んだ陽凪ちゃんにっとって信頼出来て、全部任せられる人に私も陽凪ちゃんを任せる。


 でも私を選んでほしい。私を選んでもらって今までと変わらない日常を、そして少し踏み込んだ関係、例えば今までできていなかった本音を語り合うことをしたい。


 まぁでも私が陽凪ちゃんに選ばれないと意味がないけどね。


 この前栞里に説教されてから改めて考えられるようになったけど、今の私は陽凪ちゃんを沙那の代わりとしては見ていない。


 昔の私なら多少はあった。でも今は違う。ちゃんと陽凪ちゃんは陽凪ちゃんだって思ってる。


 沙那とは違う。違って当たり前。でも面影があるから懐かしく思える。ただそれだけだって思えるようになってきた。


 だから今の私にとっては陽凪ちゃんは陽凪ちゃん。


 ...................正直に言えばあの時陽凪ちゃんがリスカしたのは私のせいだって思ってる。私が陽凪ちゃんを沙那の代わりと思っていたこともあったから、沙那なら大丈夫だから陽凪ちゃんも大丈夫って勝手に思ってちゃってたからなぁ.......。


 実際にはそんなことなくて、陽凪ちゃんは沙那よりも弱かった。


 陽凪ちゃんはどんなことでも身を削って生きてる気がする。


 弱音は吐かないし本音も言わない。それなのに人のこと、特に友達以上の関係の人には過剰なくらい気をつかう。


 ...........自分を抑えて抑えて抑えまくって他人を優先した結果自爆するのが陽凪ちゃん。


 反対に何があっても生き残るっていう意志を感じさせる生き方をしてたのが沙那。


 これは多分陽凪ちゃんを独りにはさせられないからっていう理由があったんじゃないのかな?


 だって沙那..........最後の瞬間だって目を覚まして、私を確認したら声もなく笑ってた。その時陽凪ちゃんはまだ病院についていなくていなかったんだけど、沙那の身体はほとんど死んでたのに目はまだ爛々と輝いていた。


 このまま死ねない。陽凪ちゃんを残して逝けない。だから絶対に生きてやるって感情がむき出しになっていた。


 そこから沙那は陽凪ちゃんが病室にたどり着くまで生き続けた。


 陽凪ちゃんが「お姉ちゃん!!」って涙交じりの声を上げて、手を握って「死んじゃダメ!!」って大泣きしてた。


 そしたら沙那ったらはっきりした声で「お姉.......ちゃんは..........いつでも...........側にいる........から」って笑顔で伝えたんだ。包帯でグルグル巻きにされて、全身痛かっただろうに、感覚なんてなかっただろうに沙那は意地でもやりきったんだ。


 そしてその後すぐ悔しそうな顔をして逝ったよ。ごめんねって言葉が全身からあふれるくらい悔しそうだった。


 それくらい沙那は生きることに熱心だった。


 こんな沙那とは正反対な陽凪ちゃんだから愛おしく思う。


 守ってあげたい、支えてあげたいと思うのは普通でしょ?


 だって家族なんだから。血が繋がってなくても愛しい愛しい義妹なんだから。


 そんな義妹だからこそ私は一緒にいたい。


 こんな不完全で沙那の代わりにもなれない私だけど、これからは私なりの方法で愛していくから。


 だから私を置いていかないで...................。

前回の補足

陽凪は沙耶香のことは大好きです。美咲のことも大好きです。別に美咲を巻き込みたくないから仕方なく沙耶香とくっつこうとはしてません。


これを踏まえた上で............これからの展開どうしよぉ!!行き当たりばったりで書くんじゃなかった!!

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