40話
毎回終わりの1文をどうしようかと迷っています。何か終わり方に違和感を抱えていましたら申し訳ありません。
「ただいまー」
..............やっぱりいないか。今日も帰りは遅いんだろーなー。
はぁ、昨日も一昨日も話しかけてもまともに話してくれない。そもそも帰る時間が遅いから話す時間もないし、学校に行くのも早くなったから朝も全然話す時間がない............。
そのわりには朝ご飯とお弁当は作って行ってるから本当に避けてるわけじゃなさそうなんだよね。
...........................よし!気持ち切り替えよ!!
――――――
バンッ。
夜の21時を過ぎたくらいに扉が閉まる音がした。陽凪ちゃんが帰って来たね。
「おかえり陽凪ちゃん。もうちょっと早く帰ってきてくれないかな?女の子なんだから夜遅くに歩いてると危ないよ?」
「ただいま紗耶香さん。そこは別に大丈夫」
そう言ってすぐに部屋に行っちゃう............。
やっぱりダメか。
今の私じゃ全然相手にしてくれない。ほんとどうしよう。
話そうにも陽凪ちゃんに逃げられるし、自分の部屋に引きこもるから話す機会もない。
..................ならもう最終手段しかないよね?今からなら陽凪ちゃんはお風呂に入る時間だからその時に乱入して強引に話してもらおうかな?
ほんとは陽凪ちゃんから話してもらうまで待っていたかったけどもうそんな余裕は私にはない。
だって今まで避けられたことなかったんだよ!!それが急に私を避けるようになってすっごい寂しいんだから!!
陽凪ちゃんがお風呂に入ったことを確認して私も準備する。ご飯作ったあとに1回入ってたけどまぁいっか。
服を脱いで浴室に入......................ダメだなんか緊張する。
別に陽凪ちゃんに裸を見せるのに抵抗なんてない。どっちかと言えば今から私が乱入しても話してくれるか不安だし、そもそも相手にされるかも分からない。
でもここで止まってたらいけない気がする。
さーちゃんと一緒に入ったこともあるんだから頑張れ私!!
「陽凪ちゃん?私も入るねー」
「え?........ええーーーーー!!な、なんで入ってきてるんですか!?」
「たまには陽凪ちゃんと裸の付き合いってやつをしようとね?」
「そ、そんなものいりません!!こ、こっち見ないで下さい!!!」
私に背を向けて小さくなる陽凪ちゃん。..........うんここまでは普通に話してくれてる。ならまだ話すことができるってことだよね?それにさっきの反応はいつも通りだったから今までの陽凪ちゃんはあえて私を避けてたってことが分かったからこっちのペースに持ち込めばいけるはず。
「いいからいいから。ほらこっち向いて?」
「嫌です!!私を警察送りにしたいんですか!?いいや私が行ってくる!!これ確実なる事案ですよ!!!セクハラですよ!!」
「そんなこと言わない言わない。私が良いって言ってるんだから事案でもなんでもないよー」
「そんなことないです!!」
「ほらほらこっち向かないと抱き着くよ?」
「なんでこんなに余裕持ってるの!?あれか!?巨乳を持つ女ゆえの余裕ってやつか!?くそう今度絶対それもいでやる!!!」
「そもそも私が入って来たんだから余裕は当然でしょ?あと人間不可能なことは諦めがかんじんよ?」
「ちくしょおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
いつも通りの陽凪ちゃんだ。いつもと同じように話してくれる。
なぜだかそれだけで満たされてしまう。満たされちゃいけないのに満たされてしまう。
話さないといけないことたくさんあるのにこうやって話してるだけで満足する。..........やっぱり陽凪ちゃんといるのは安心するなぁ。
「はいはい、それじゃあ目をつぶっててね?頭洗ってあげる」
「い、いやいや!自分でやるから!それぐらいはできるから!!だからその手を!私の腕を握ってる手を離して!!恥ずかしからはーなーしーてー!!!!」
「恥ずかしがらずにさぁさぁ」
「やーめーろーーー!!」
するすると陽凪ちゃんの手を取って私の目の前に来るように移動させる。ちなみに出入り口は私が塞いでるから逃げるという手段はそもそもない。
そしてこうなればもう私のペース。陽凪ちゃんにはおとなしくするしか選択肢がない。
それからワシャワシャと陽凪ちゃんの頭を洗ってちゃんと髪のケアをして身体を洗ってあげようとしたけど逃げられて背中を洗ってあげるだけに我慢した。
「さ、さあ!今度は紗耶香さんの番ですよ!!」
「あ、私は大丈夫。陽凪ちゃんが帰ってくる前に1回お風呂入ってるから流す程度で大丈夫!」
「はあーー!?何!?それじゃあ私はやられ損!?」
「そうなるかな?残念だったね陽凪ちゃん♪」
「なんじゃそりゃ!!」
頭を抱えてうなっても意味ないよ?まぁさすがに意地悪しすぎたかな?
久しぶりに陽凪ちゃんとまともに話してテンション上がった結果だから許して!
それから軽く身体をお湯で流してお互いに膝を曲げて一緒に湯船につかる。
こうやって一緒にお風呂に入るのも初めてでなんか新鮮でいいね。
「それで陽凪ちゃん?私のこと嫌い?もう会いたくないくらい嫌い?」
「そんなことない!!!」
そう叫んだ陽凪ちゃんはすぐに顔をしかめた。
あぁ..........また何か抱え込んでるんだね?いつもそうやって私に隠すくせに顔にすぐに出るんだから分かりやすい。
「陽凪ちゃんが何を抱えているか私には分からない。でもねこれだけは言っとくね。私はいつでも陽凪ちゃんの味方だから。話せるようになってからいいから、その時になったらゆっくり笑いながら話そうね?」
「................うん。ねぇ紗耶香さん?私のこと怒ってない?いきなり紗耶香さんを避けたりしたから............。」
「大丈夫。そんなことで私は怒らないよ。だってこうやって今では話してくれてるんだし、何よりも私の隣にいてくれてる。それだけで私は十分だよ」
「............ありがとう」
うん。やっぱりこうやって話せたほうが良いもんね?陽凪ちゃんと話せてるから私もなんか安心するんだよね?
あの日から心に空いた穴を陽凪ちゃんと話してる時だけは、陽凪ちゃんと一緒にいる時だけは塞がってあの時の私と同じように振舞えるから。
だからね陽凪ちゃん?何を抱えててもいいから私の側から消えないで。陽凪ちゃんがいてくれるだけで私は満足だから。




