34話
side美咲
救急車で運ばれた結果陽凪は何ともなかった。...........命にはって意味だけどな。
まず傷跡は絶対に残るらしい。神経まではいってないけど結構深くやったらしく、貧血も引き起こしてたからなんか栄養剤?いれたらしい。本当は薬なんだけど睡眠薬で寝てるからって理由で注射で入れたらしい。
でも血の循環が止まってたわけじゃないから脳への負担とか限りなく低いものだから後遺症は特にない、ってさ。
そもそもリスカで死ぬ確率なんて相当低いらしい。この点だけみれば陽凪の抜けてる思考に助けられたな。
これがもし練炭だとか、劇物摂取とかだったらヤバかった。そっちの方が言っちゃ悪いが確実な方法だもんな。テレビのニュースとかで見る自殺ってこういうのが原因らしい。っとネットにあった。
最初見た時は血が出てるわ倒れてるわ意識無いわで私は結構パニックになってたけど母さんが来てくれたからなんとかなったな。
病院に着いた時に紗耶香さんにも連絡はしたけど仕事がまだ終わってなかったのか繋がらなかった。けど私から電話するなんて滅多にないからかけ直してくるだろう。それに陽凪が病院に運ばれたってのは文章で送ってるからすぐ電話くるだろう。
結果的には良かったが、内容的にはこれからどうしようってレベルのもんだからな。
さっきから隣にいる母さんは母さんでめっちゃ機嫌悪いし、こりゃ陽凪起きた瞬間終わりだな。あの時以上に説教されるだろうな。
.............それに機嫌が悪い理由って陽凪に対してもだけど多分紗耶香さんに対してもなんか思ってそう。................ということは私も!?私も説教確定か!?
「美咲?」
「な、なんでしょう!?」
「口調おかしいわよ?それにお母さん美咲に対して怒ってるわけじゃない。そりゃ陽凪ちゃんのこと相談されなかったことは悔しいけど美咲のことだもん。美咲なりに頑張ったんでしょ?説得なりなんなり。じゃないと美咲が最初に見つけるわけないものね」
「...........はぁ。良かった。私も説教確定かと思った」
「してほしいならいくらでもするけど?」
「結構です!!!」
「で、美咲?陽凪ちゃんがおかしくなったのはいつくらい?」
「だいたい1週間ちょっと前。熱出して休んだ後から急に私を未空を避け始めた」
「それを秋庭さんは?」
「知らないと思う。けど陽凪のことだからどうせ家でも塩対応してんじゃない?」
「まぁ陽凪ちゃんならありえるわね」
「で、母さん?陽凪をどうする?このままにしとく?」
「そのことなんだけどね、陽凪ちゃんが退院したらしばらくの間うちで預かろうと思うんだけど、どう?」
「私はいいけど父さんはどうするんだよ?陽凪嫌がるぞ?知合いな分まだマシだろうけど下手したら暴れるぞ?」
「そこは大丈夫。あの人にはお金渡してどこかのホテルにでも放り込んで泊まってもらうから」
「うわぁ......扱いひどっ!」
「それが夫というものよ。それに過去あの人がやったことの代償よ」
「..................私そんなの知らないんだけど?」
「知らなくていいわ。きっと美咲なら手が出るわね」
「うわぁ.........。だいたい予想はついたけど..........。」
「それ以上は深入りしない方がいいわ」
「分かった」
父さん何やってんだよ。母さんを怒らすって相当なことやったんだろうな。
でも私が知らないってことは結婚前?それとも私が産まれる前?..........まぁいっか。ここで考えても仕方ないし、いざとなった時の父さんの弱みとして覚えておこっと。
「それで秋庭さんから連絡あった?」
「..............ない....って今電話来た。ちょっと電話してくる」
「できるだけ早く来なさいって伝えといて。それも私から」
「はいはーい」
流石に病室で電話な。個室とはいえなんか嫌だ。それにあそこで紗耶香さんと話したら母さんが乱入してきて絶対収拾がつかなくなる。
『美咲ちゃん!?陽凪ちゃんがどうしたの!?病院に運ばれたってどういうこと!?』
『落ち着いてください。陽凪は死んでいません。それに今は寝てるだけなので大丈夫です』
『はあぁぁぁ。良かった..........』
『良くはないですよ?陽凪がなんでこんなことしたのか聞かなくちゃいけませんし何より私の母が超怒ってます。陽凪に手を出した時なみに』
『.................うん分かってる。それに私にもきっと怒ってらっしゃるのでしょう?』
『当たりです』
『今回のことは私も悪かったって思ってる。陽凪ちゃんのこと任せて下さいって言ったのにこんな事になっちゃったんだから』
『そうですね。私にも責任はありますので逃げることはしません』
『美咲ちゃんが抱え込まないの。で?今どこの病院?』
『今陽凪がいるのは西村総合病院という所です』
『分かったわ。すぐに行くわ』
『うちの母から早く来い、だそうです』
『もちろん。....................美咲ちゃん。陽凪ちゃんのことありがとうね』
『いえ。友達として当然ですから』
ブツリと電話が切れる。
抱え込まないで、か..........。
そんなの無理に決まってるだろ。
だって紗耶香さん。あんたも同じだろ?なら人のこと言えねえよ。




