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30話

 side美咲


 おかしい。陽凪の様子がおかしい。


 この1週間明らかに私と未空を避けてる。話しかけても無視か一言返されるだけ。


 最初は()()()だから体調悪くて機嫌が悪いと思ってたけど、さすがに1週間続いたらもはや違うって分かる。


 陽凪がおかしくなったのは熱から復活した日.........いや、休んだ日からか?


 あの時大丈夫か?って聞いた連絡を既読無視されていらいだからなぁ。絶対休んでいる間に何かあったんだけどその何かが分からない。


 未空に聞いてみても同じで原因は分からない。聞こうとしても逃げられてそれで終わり。


 まぁ意図的に私達と話そうとしてないことがはっきりしてるからどーするかな?


 紗耶香さんに聞いてみようにも家じゃそんなことなくて避けられてるのは私だけって可能性もなくなはないんだよな。


 んーー、どうしたもんかねー。


 とりあえず凸ってみますか。


「陽凪―!日本史の課題まだー?先出してくるぞー!」


「あぁ、さっき出したから大丈夫」


「は!?あの陽凪が!?日本史の課題出さない陽凪が!?」


「そうだよ。それじゃ私は帰るから」


 そっけなく言われて終わったな。こりゃ無理だ。


 あそこまで頑固になられたらこっちからできることなんて限られてくる。


 無理やり話しの場に引きずり出せればいいけど成功するか?


 ..............母さん呼ぶか。母さんならなんとかなるはず。けどそれでいいのか?


 母さんなら陽凪相手でも話せると思うけど絶対あいつ本心を話さない。それじゃ意味ない。


 あーあ、陽凪の親友名乗っておきながら何もできないとは情けない。


 ......とりあえず陽凪の行動を思い出してみるか。


 夏休み中はバスケしたり、遊びに行ったりしたけどその時は特には何もなかった。陽凪自身も笑顔で楽しんでいた。だから何もなかった。


 次、夏休み明けてからも陽凪はいつも通りだった。普通に授業を受けて昼飯食べて、先生に怒られながら起こされて、放課後になったら家に帰る。時々紗耶香さんとの惚気話?のような話を聞くけど、その時も嬉しそうな顔をしていた。


 なら誰かに何かを言われたって感じじゃなさそうだな。


 私も少ししか聞いてないけど陽凪の母方の実家は絶縁状態で陽凪の母親の葬式にだって来なかった。


 父方なんてもってのほか。あんなところに頼ったら陽凪が売られる。文字通り裏社会に売られかねない。陽凪胸はちょっと残念だけど顔も性格も良いから格好の的だろ。R18指定の指定のビデオまっしぐらだ。


 私の母さんが怒鳴り散らかさなきゃ多分今頃そうなってたはずだよ。陽凪も沙那さんもね。


 それぐらいあそこの父親、いや父親とも言いたくないな。あのゴミ屑の実家はそんなところだよ。


 だから陽凪は実家関係で何か言われたってことはないと思う。もしあったとしても物理的に私達家族が沈めてやる。


 なら考えられることは1つ。何かを思い出したか、変なことを思いついたっていうことだ。


 正直こっちの線だと私が原因にいてもおかしくない。あれだけ離れてたバスケに無理やり連れ帰ったのは私だ。ならそこで嫌なことを思い出しても仕方ない。


 でもそれなら夏休み中に今の状態になってないとおかしい。


 だったらもう1つしかない。変なことを思いついたんだろ。


 それにこれが初めてってわけじゃないしな。沙那さんが亡くなった時、陽凪は変なことしやがった。


 沙那さんが亡くなった時にあいつはこれから1人で暮らしていこうと思ったんだろうな、沙那さんの死亡保険やら損害賠償で受け取った金額全部紗耶香さんにあげようとして、自分は受け取ろうともしなかったな。


 そして受験シーズンなのにあいつは勉強放り投げて出会い系を使ってお金を稼ごうとした。


 生理的に男相手は嫌だったんだろう。同性愛者が集まるサイトで自分を売ろうとしていた。そして実際に売る直前までいってたが私が気づいて、母さんに止めてもらった。


 理由を聞いても言わない、無視する。挙句には逆ギレするで大変だったがある日やっと聞けた時には「お金は全部紗耶香さんのもの。沙那ねぇは紗耶香さんと付き合ってたけど死んじゃった。これから家族になるはずだったのに死んじゃった。だからそのお詫びにお金を全部あげようと思っただけ。それでお詫びになるか分からないけどそうするのが当然だと思った。だから私の手元に残るお金は全然ないわけで、私が働けるわけもないから手っ取り早く稼ぐにはこうするしかなかった」って言ってた。


 それ聞いた時うちの母さん思いっきり陽凪のことビンタしてたな。力加減もせず思いっきりやったからすごい音出てたな。その後泣きながら説教してたよ。


 それで改心してくれたのか、当分変なことをする陽凪には会うことはなかったけど今回熱出したからかまた出てきやがったな。


 .................あの時は母さんに頼るしかなかったけど、今なら私でもなんとかなるはず。


 もし無理でも母さんを召喚すればいいだけ。でも今回は私が正気に戻させたい。


 なんでか?それは私のエゴだよ。


 私にとって陽凪は親友。そして家族なんだよ。私にとって義姉であり義妹でもある陽凪なんだから。ただしれだけの理由。


 上手くいかないかもしれない。けどそれでもいい。


 あいつの側に私はいつでもいるんだって証明できれば良い。


 これから進学先が違うかもしれない。もう滅多に会えなくなるかもしれない。それは仕方のないことなんだろう。


 けど私はいつでも陽凪の味方で親友で、側にいられるやつなんだって分からせたい。


 ただそれだけの理由だよ。





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