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26話

 コトリ。


 今週だけは特別な日。今週だけは我慢しなくちゃいけない日。そして我慢しなくてもいい日。


 だからリビングに置いてあるテーブルに沙那ねぇの写真を置く。沙那ねぇ1人が写ってる写真を置く。そしてその隣にお母さんの写真も置く。外に出せなくてごめんねお母さん。まだ辛いんだ。


 そして玄関には私と沙那ねぇ、それにお母さんが写った写真を置く。唯一といっていいほど数少ない私の血のつながった家族の写真。3人で撮ることができるタイミングなんて中々なかった。


 だからこの写真は思い出の写真。まだ私が小学3年生の時に3人で水族館に行って撮ってもらった写真。いつも仕事で忙しかったお母さんが無理を言った私のために無理やり作ってくれた貴重な休みの日に行った思いでの水族館。


 私も沙那ねぇもお母さんもみんな笑顔で綺麗に写ってる写真。だからこれを見返すのが辛かった。


 お母さんの優しい笑顔を怒っている顔を泣いている顔を無理に笑っている顔を、全部全部思い出してしまう。


 でももう大丈夫。私だって大きくなったんだよ?もうお母さんを思い出しても悲しくはなるけど、昔みたいにはならない。


 あの時は沙那ねぇがいて、今は紗耶香さんがいてくれる。それだけで十分。


 だからねお母さん?そっちにいる沙那ねぇを怒らないでね。沙那ねぇだって行きたくてそっちに行ったわけじゃないの。それに私は沙那ねぇにすっごく迷惑をかけた。だからさ、沙那ねぇのこと思いっきり甘やかしてあげてね?


 いつもいつも私のために苦労してた沙那ねぇなんだからいいでしょ?.................うらやましくて私もそっちに行きたくなっちゃうけど遠慮しとく。だから沙那ねぇのことお願いね?


 ....................よし!たまの報告終了!!


 私のことはいいのかって?こんなに元気な姿見せとけば大丈夫!!お母さんはそんな人だからいいの!!自分で見て、いろんなことに気づきたいって人だから!!


「紗耶香さんこっちはオッケーだけどそっちは?」


「こっちも大丈夫よ。..................私はね」


 私はって........え?も、もしかして?


「ハロー陽凪ちゃん!!会いたかったよーーー!!」


 やっぱりいたーーーー!!!ちょ、こっち来んな!あ、危ない!!危ないって!!そうやって飛びつくと後ろにテーブルあるんだけど!?角が尖ってあたるとめっちゃ痛いテーブルあるんだけど!?


「痛ったーーーー!!!ゴンって音しましたよね!?これめっちゃ痛いんですよ!?」


「そんなの陽凪ちゃんハグするのと比べたら些細な問題だよー」


「なわけあるか!!角当たったら私死ぬぞ!?頭から血出して死ぬぞ!?それか記憶喪失なるぞ!?」


「会社で応急救護習ってるし、紗耶香もいるんだから死なない死なない。それにもし陽凪ちゃんが記憶喪失になったら..............。」


「なったら?」


「私好みに調きょ..........記憶の刷り込みができるから大丈夫!!私と紗耶香にとって魅力的な子にしてあげるから問題なし!!!」


「問題アリアリだわ!!紗耶香さんやっぱり栞里さんここに読んだの間違いです!早く追い出そう!!」


「んー、そうすると、ね?」


「そうそう紗耶香の秘密暴露するぞ♪っていってるから無意味ー」


「ああぁぁぁぁぁぁ!私の!私の味方はいないのか!!」


「お姉さんが味方じゃない?」


「栞里さんは断じて味方じゃない!!私で遊ぶ気満々な見た目詐欺師の外道!!」


「ふーん。だったらお姉さん頑張っちゃうぞー?記憶喪失になってない陽凪ちゃんでも調教しちゃうぞ♪」


「もうこの人調教って言葉隠す気失くしたよ!?さ、紗耶香助けて!?あなたの可愛い義妹がピンチですよ!!」


「んー、私と栞里好みに調教ってのは惹かれるんだよね?だからごめんね?」


「もう嫌だ!!私は帰る!!!実家に帰る!!!」


「実家ってどこよー?」


「それ言ったらすぐ連れ戻されるから絶対に言わない!」


 いくら美咲のこと知らなくても絶対この人なら乗り込んでくる。それに紗耶香さんは美咲のこと知ってるから言った時点でもう私は死ぬ!


「大丈夫よ栞里。いくつか候補はあるから少しずつ少しずついこう?」


「そうだね!それがいいね!!じゃあ手始めに陽凪ちゃん?」


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


「この水着から着ようか?」


 嫌だ!こんな下着よりも布面積ないのは絶対嫌だ!!防御力皆無だよこれ!?


「陽凪ちゃん?だんだん慣れてくるから大丈夫だよ?最初にちょっとだけ恥ずかしいだけであとはもうノリノリで着れるようになるから」


 なにそれ!?なんかよく分からない薬使う気!?


「じゃあ行こうか?」


「いーーーやーーーーーだーーーーーーーーー!!!」


「そんなワガママ言わないの?」


「これのどこがワガママか!?ただ拒否してるだけ!!!」


「もう、そんなワガママ言うならもっと虐めたくなっちゃうじゃない?」


 スッと紐がだされた...............。あ、あんなのダメに決まってるじゃん!!あれ着るのは変態だけ!!


「ひぃぃぃ!わ、分かりました!着ます!着ますからその紐をちらつかせないで!!!」


 .............なんだろう。今日ってお盆だよね?お母さんと沙那ねぇに年1の報告をする日だよね?なんでこうなってる!?私なにか間違ってる!?間違ってないよね!全部この2人が悪いよね!!


「陽凪ちゃん?早くしないと??」


「わ、分かりました!!!」


 まだましな方を受け取って自室にダッシュ!!...............アパートとかなら窓から飛び降りて逃げれるのにここはマンションだからそれはお空に飛び出して地面と高速こんにちは、かーらーのーお母さんと沙那ねぇ再会ルート一直線だからできない!!


 はぁ.........私に平穏を返してくれ。

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