ツマ
大根役者。
僕はいままでそんなことを言われて、
傷ついていた時代もある。
でもそれは違う。
主役芝居。
一枚目はツマ。
妻じゃないから誤解しないでほしい。
僕が憧れる舞台俳優は、
元々アイドルで、
勤勉を隠すタイプだった。
僕は新たなスターを見出せる。
そんな誤解が世間に広がり、
役者の仕事は今はない。
付き人時代、たくさんの
美女美男を見てきた。
そのとき感じたのが、
見た目だけでは、
どうにもできないということ。
それを叩きつけられるような
ロングランの芝居を、
ツマ俳優はしている。
僕はツマにはなれない。
諦めて評論の世界に入るか
業界を引退するか。
原石が光るあの芝居をまた見よう。
ツマが輝いているから、
キャストが光を発する。
世界が今、泣いている。
だから僕は泣かない。
なけなしの金で
何かを買おう。
世界が笑うために。
大根役者。
役者がちがう。