斬撃の達人とデジタル
「ぜりゃっ!」
私は斬撃の達人と呼ばれている者。
すべてを粉々に切り刻むことを趣味としていたところ、気づくとそう呼ばれるようになっていた。
そこまで言われると気分も悪くないため日々人助けに邁進している。
今はまさに変質者の対峙をしているのだが、
「ギャアッ! ……なんてな」
目の前の変質者はいくら切ってももとに戻る。感触はまるで水でも切っているようにない。
「我はデジタルゆえに攻撃は巻き戻しで効かないのだ。と、何度言えばわかるのだ」
「クッなんて奴」
何を言っているのかさっぱりわからない。
これでは相手の言い分を聞いている内に切るということもできないではないか。
そんな事を考えている間にいつの間にか前の前に来ていた少年が何やら拳を振りかぶる素振りをしている。
「オイ危ないぞ」
「えい」
なんと、少年は拳を変質者のからだに突っ込んだのだ。
「少年、我はデジタルゆえにこのように巻kkkkkkkkkkk……
「な、なんだ? 一体何が起こっているんだ?」
「ウイルスさ」
「ういるす?」
「そうこいつは巻き戻る奴……
「な、なんて奴だ」
なんだか難しいことを言っているようだがさっぱりわからん。