南の魔人は、幼馴染で婚約者
??「たのもー!!」
??「アルカトラ様そこは、おじゃまします。です」
「そうだったか?おじゃまするぞ!!」
ゼル「マリオン様、お客人がお見えになられました」
「客だと?そんな予定は入っていないが」
「南の魔人ことアルカトラ様でいらっしゃいます」
近いうちにとは言っていたが、まさか次の日やって来るとは思わなかったぞ。
「おぉ、マリオン久しぶりだのぅ!!」
南の魔人、アルカトラは俺の幼馴染で魔人とドラゴンのハーフ、角と羽が特徴的な少女で口からはくブレスは黒炎と呼ばれており、1度火がつくと燃え尽きるまで消えることは無いという。
「まさか私の顔を忘れたのではあるまいな?」
「勿論覚えているぞアル数百年ぶりか?」
「うむ、見ないうちにすっかりと大きくたくましくなったな!!」
「そういうアルは…、全く変わってないな」
「何を言うか、私はこんなにもレディになったのに」
そうか?当時のあの時のままの姿をなんだが…、いくら魔人が成長が遅いとはいえここまで変わらないものなのか。
「マリオン様、アルカトラ様はこう見えて尻尾が1ミリ程度伸びたのですよ!」
「ふふん」
いや、そんなドヤ顔されても反応に困るのだが…
「何事ですか騒がしい、マリオン様この方は一体…」
「イリスお姉様!!お久しぶりですございますぅ」
「げっ…ミランダなぜお前がここに」
「アルカトラ様の付き人として来たのですわ、まずはこの感動の再会を祝してあついハグを!!」
「ええい、鬱陶しい!お前は相変わらずだな」
「知り合いか?」
「一応、妹のミランダです」
イリスの妹か、黒い翼に青い瞳、確かに似ている。主に性格が。
「そんな、お姉様酷い、私はこんなにお姉様を敬愛していますのに」
「お前の愛は重すぎるのよ!」
「そんなにハッキリと言うなんて、でもそんなお姉様も素敵」
「マリオン様、申し訳ありません身内のはしたない姿をお見せしてしまい」
いや、普段のお前もこんなだぞ?っと言いたかったが我慢した。
「ところで何をしに来たんだ?アルカトラ」
「何をしに来たかとは悲しいぞ、幼馴染であり、婚約者の私が夫の顔を見に来たらわるいと申すか」
イリス「っこ…、婚約者!?」
「うむ、あれは200年以上も前のことか、忘れもせぬぞ」
「まりおん、おおきくなったら私とけっこんしてくれる?」
「大きくなったらな」
「わーい、まりおんだいすき」
あー、そんな事もあった様な気もしないでもない。
「そんな、子供の約束などよくあるものですわ、そんなもの無効です」
「何を言うか、私はこの数百年、マリオンの事だけを考えて生きてきたのに、マリオンもそうであろう?」
「そ、そうだったか?小さい頃の記憶ゆえハッキリと思い出せぬ」
「恥ずかしがるでない、お主も私ももう立派な大人だ、そろそろ第1子が欲しいと思ってな」
「だ、第1子…だと…?」
「あぁなんて事でしょう!大事件だわ」
「お姉様、お姉様には私がおります!!」
「貴方は少し黙ってて下さい」
「ぱぁー、ぱぁ」
「え?」
「ぱぁー、ぱぁ」
マリーは目が見えないのに随分と軽快な足取りで此方に向かってくる、ちょっと待てこの状況かなりまずくないか…?
「聞き間違いでしょうか?今この赤子が、マリオンの事をパパと呼んだ気がしたのだが」
「アッハハハ、そうよこの子は私とマリオン様の子供、残念でしたわね」
「こらイリス、火に油を注ぐんじゃない!!アルカトラを怒らせるととんでもなく…」
「マリオンとお前の子供じゃと?」
ボボボボ
ちょ、口から黒炎が漏れ出てるんですけど!!
「私という婚約者がおりながら!マリオンお主というやつは!!」
「ご、誤解だこの赤子は」
「言い訳など聞きとうない!」
「お姉様、私という可愛い妹がおりながら!!」
イリス&アルカトラ「お前は少し黙っとれ!!」
「はぅ」
「落ち着けアルカトラ、俺の話を聞くのだ」
「まーりーおーんー」
「恐れながらアルカトラ様、この赤子は人間です。魔人同士に出来た赤子には人間は産まれないと思われますが」
「う、確かにそうだな、なんだマリオン違うなら違うと言ってくれれば良かろう」
さっきから弁解しようとしていたのだが、というかまだ口から黒炎が漏れてるんだけど、うっかりこぼさないでくれよ…。
「ミランダ、余計なことを」
「しかしお姉様、アルカトラ様がお怒りになったら、お姉様と言えどもただではすみませんよ?」
「それがなんだと言うのです、私はマリオン様のためならばこの命捧げることもいといません」