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胸騒ぎ




 ふと隣を見ると、遠坂が立っていた。



「やーい、振られてやんの」

「横っ面ひっぱたくぞ」


「おい、やめろ。全国の女性が悲しむだろ」

「嘘だよ。あと、安心しろお前の顔が腫れあがっても誰も気にしないから」


 思わず真顔でハルは答えた。




「うーん。でも、まっ、神崎さんは高嶺の花だからな。なかなか難しいな。彼女どころか、クラスメイトから一歩抜け出すのも骨が折れるぜ。諦めて、隣のクラスのA子ちゃんなんかどうだ?」



「なんの話だよ。それより、宇宙船やら言ってたのはどうなったんだよ」

「そんなん、無理無理。慣れない肉体労働で体いてーし、眠いし。どうせ、最終日に霧がでるらしいじゃん。警報出てたってさ」


「そうなのか。せめてキャンプファイヤーまでもつといいな」

 





 この汚染された地球では、稀に濃い霧が発生する。


 政府が天気予報を管理して警報を出しているので、僕らも動向には気に付けている。自然破壊のツケをいま僕達は払わされているのかもしれない。

 濃い霧は身体に有害である。

 猛毒とまでは言わないが、長時間その空気を吸うことで死にいたることもある。基本色に屋内に避難訓練するので、問題はないのだが。


 特に紫の霧などは、出会いたくない。






 たとえ、このオリエンテーションで彼女と友達になれなくても仕方ない。それが普通だから。

 少し同じ係になったり、出掛けてたりして、存外浮かれてたのだ僕は。これが、普通である。




 それならば、何事もなく楽しく無事にオリエンテーションが終わればいいのだ。僕が勝手に浮かれていたのだから。



 思い詰めたような神崎さんの横顔を見て、ようやく僕は自覚した。






 なぜだろうか。

 ゆっくりと迫る霧が僕の胸騒ぎを大きくした。
























 






 




 

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