シダという男2
もう日も暮れた夕方。
二人はバッタリと会った。
「早いじゃないか。クラスはどうした」
「俺の班は優秀でな。さっさとカレーを作り終えて、いまはテントで寛ぎタイムだよ。でっ、カロリースティックと栄養ドリンクを届けに来たところだ」
「なんだよ」
「ずいぶん優しいな」
「ふ、ふん。宇宙船を直すまで機嫌を損ねられてたらたまらんからな」
神室は、憤慨する。
「あっそう」
「お前こそなんだよ」
「もちろん俺の班も優秀だからな。既にテントで鼻歌歌いながらトランプしてるぜ。盛り上がってるから抜けても大丈夫だろう」
それに女の子がこんな森にいるなんて、心細いだろうからな。
と。
「そうかよ。女には全般に優しいな」
「そうともさ。冬子様から女は敬えと教えられてきたからな」
「スパルタ教育のたまものか……」
そのまま、碧りこの潜伏している場所に二人は歩きながら向かう。
「ところで、宇宙船には何か残っているかな」
「手掛かりくらいは残してるかもな。たとえばシダとかな」
祐貴は嫌そうな顔をした。
「だけど、俺達だって今ごろ行くんだぞ。政府の目が厳しいのに、危険を犯してまでするか」
「生きているならするだろう。あいつは野心家だ。最年長で、頼りになる」
長髪の黒髪。
ふてぶてしい態度の中年の男の顔を祐貴は思い浮かべる。
「嫌いか?」
「嫌いだな。あんなコウモリ野郎」
「そう言うな。頭の回転も早いし、お前やもしかしたら冬子様より力は強いぞ」
「あいつ、本当は兄上様につきたかっただろうよ。こっそり内通していたかもしれないぞ」
「それはないな。だったらクーデターを知っていたはずだ」
「とにかく俺は信用できない」
「あっそうかよ。俺は頭数がいたほうが助かるよ」
なぜか祐貴はぷんすか怒り出した。




