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出発




 その日は穏やかな晴天だった。





 校庭には普段は見慣れぬバスが何台も停車している。生徒はその周りにわらわらと整列していた。教員が慌ただしく準備している。

 そして、クラス委員長兼実行委員の神崎さんも少し離れたところでテキパキと指示を出してる様子だった。





 普段の制服姿も僕は好きだか、今日のジャージ姿もなんともいい感じだった。なんというか、新鮮な感じだ。

 オリエンテーションついにこの日が来た。

 できることなら、このイベントで彼女と友達になりたい。いや、なるぞとハルは神崎さんを遠目に見詰める。







「そして、あわよくば友達以上の関係になってやるぜ」


 ん?

 んんん?




 僕、そんなこと言ったけ?

 それとも心の声が外に。





「あの、旭さん。そこで何をしてるのですか」

 ハルの横で口パクしている旭さんがいた。




「あなたの心の声を体現してあげてるのよ」

「いや、思ってないよ。それに旭さん別のクラスでしょ。バスはあっちだよ」




 艶やかな美しい黒髪をサラリとかきあげ、旭は微笑む。

「まだ準備に時間がかかりそうなので、遊びにきて差し上げてよ」





「そうなの」

「そうですわ」





「でも神崎さんは、彼氏いるから。祐貴くんって彼氏がね」

「そちらは、いずれ私の魅力で卒業までに落としてさしあげますわ」


 ハルは困った顔をする。

「なに言って」



「ノンノンノン。私、まだ祐貴様のこと諦めてませんの。つまり、確率をあげてあげますのよ。だって、まぁ、その、なんていうか」





「あなたは、私のおともだち?ですしぃ」

 少し照れながら旭は小声で言う。







 いつの間にか、旭さんと僕は友達になっていたらしい。

 改めて言われるとハルも照れてしまい顔が真っ赤になった。










 





 



 

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