今日の晩御飯
穏やかな光の中、ツインテールがふわりと揺れる。
「ばいばい、ミホちゃん。また明日」
「うん。バイバイ、りこちゃん」
可愛い笑顔を向けて、りこは学友を見守る。
「さてと、ハルちゃんが帰ってくるまえに買い物でも行くか」
りこは、晩御飯のことを考えながら歩きだす。
最近、レーションが続いたからな。
どうしよう。予算もあるしな。私の作れるようなもので。
ふと、目の前に影が落ちた。
りこは顔を上げる。
「買い物の手間が省けたな。今日の晩御飯は松花堂弁当だ」
そこには、重そうなビニールを持った神室聖がいた。いな、インテリメガネがかっこいいポーズで仁王立ちをしていた。
りこは、ポケットにスッと手をいれ携帯を取り出した。
真顔で。
「すいません。警察ですか、小学校付近で不審者が…」
「おっ、おい。まてまてまて」
神室は、ちょっと慌てる。
そっと、りこの手に暖かい手が触れた。
「ごめん、りこちゃん。話しは聴かせて貰ったよ。とりあえず、俺たち謝りに来たんだ。だから、お願い。通報しないで下さい」
「カナちゃん」
そこには、申し訳なさそうな表情の祐貴が立っていた。
「オリオンのことも聞いてるから」
りこはちょっと考える。
「わかったわ。カナちゃんに免じて通報はしないけど、なんか嫌な予感がするの」
「気のせいだよ。お詫びの松花堂弁当でも食べなから、改めて俺もいっしょに作戦会議するよ。ペリグリーチャブも買ってきたから」
嫌な予感当たってるじゃん。りこは思った。
「いやいや、ハルちゃんが帰って来ちゃうから。怪しいわよ」
「まぁ、安心しろ。お前のお兄ちゃんは、冬子様と生き物でガーデニングの最中だ。すぐに帰れない仕様にしてある。ぬかりはない」
「殴るぞ、メガネ。そして、気安くお兄ちゃん言うな」
りこは、ガチの真顔だった。




