憧れのフォークダンス
少しばかり冷たい空気。
ひんやりとした感覚がゆっくりと頭を覚醒させていく。
でも、まだ少しずつ眠い。
それにしても、昨日は長いコンビニだったな。
僕はいつの間にか眠ってしまい。妹の帰りを待つことなく、夢のなかへと旅に出でしまったのだ。
「おっはよう、さん!!!!」
ドスッと背中に誰かがぶつかる。
「なんだ、遠坂か。おはよ」
テンション高めな感じで、遠阪が口をあける。
「断る」
「失礼なやつだな。まだ何も言ってないだろ」
「そうだな。言ってもいいぞ」
「フォークダンスのときにちょっこら、抜け出して宇宙船もとい、宇宙人探しにいかね」
ハルは目を閉じて再び歩き出す。
「断る」
「おいおい、こんなまたとないチャンスを棒に振れってのか?とんだシャイボーイたぜ」
「そっくりそのままかえすけど、彼女を作るまたとないチャンスを棒に振るのか?」
「悲しいお知らせだ。フォークダンスにはクラス委員長などなどは、準備や運営のため参加しないそうだ」
「まぁ、そんなような予感はしてた」
「なんでだよ、がっかりだよ」
そのなかに目当ての彼女がいてたのか、遠坂はすこぶる憤慨していた。まぁ、本当は僕もちょっとがっかりしたのだが。
学校に向かって歩きながら、僕は話す。
「でもやっぱり無理だよ」
「なんでだよ」
その日の朝、妹は僕に言った。
「悪い予感がするの」
「はっ?気のせいだよ」
「ハルちゃん、お願い。オリエンテーションは夜はすぐに寝てね。集団行動でみんなと一緒にいてね」
おどけてみせようと妹の顔をみると、真剣な眼差しで僕を見詰めている。真っ直ぐな射くような視線だ。
「あっ、ああ。わかったよ」
「絶対よ」
「わかった。絶対」
「妹に誓って、約束よ」
「おお、妹に誓って約束する」
「嘘ついたら、神崎さんにハルちゃんの愛のポエムをばらすから」
「マジか」
やめてくれよとハルは思って玄関の扉を閉めた。




