合流
揺れる美しい髪がフワリと宙を舞う。
それを見た祐希は、咄嗟に声を上げる。
「冬子様」
そして、それに彼女も気が付いた。
「祐希、神室。戻ったか」
足を止め、彼女もまた駆け寄る。
一呼吸置いて、彼女は話し始める。
「事態はわかっているな」
「はい」
「もちろんでございます」
「なら、遅れたことは咎めない。各自収集にあたれ。まずは、自分達のクラスに帰れ。点呼を取って数を確認しろ。私も一度、自分のクラスに戻る」
「仰せのままに」
「それと、念のために言っておくが。宇宙船の捜索は中止だ。すまないとは思うが、緊急時だ。いずれまたくるであろう機会を待とう」
祐希と神室はドキッとした。
どこまでも見透かしたような青い瞳に。
「まぁ、だが。遅れてきたということは、それなに調べてこれたのだろう?」
「咎めなどするものか。早くクラスに帰れ。そして、担任の指示を仰げ」
軽く会釈をして、二人は立ち去る。
祐希の服の裾を誰か引っ張る。
「なんか、いつもと雰囲気違ったね。神崎さん」
それは、ミラーズをかけられたりこだった。
「ま、まぁね。それより、りこちゃんがいるのバレなくてよかった」
「たしかに。ばれたら、咎められるうんぬんではなく半殺しだろうな」
神室の顔色は悪かった。
そんか話をしながら三人と一匹は避難を始める。