日常なんて簡単に壊されるものだ
もう少し文を書く能力が欲しいです...
それから学校について席に付いたタイミングで担任が教室に入ってきてホームルームが始まった。因みに凛はC組、俺はB組だ。
(そう言えば朝会話してからアイツと会話して無いな)
アイツと言うのは例の神様の事だいつもは俺が誰かと話していない時は結構話し掛けてくるのに今日は朝話してから全く話していない。
(まぁ仕事でも押し付けられてんだろ)
「おい、静かにしろ今日は重大な知らせがあるぞ~、転校生だ因みに女子だ」
騒がしかった教室を一括して静かにさせてから喋り出したのはいいが、主に男子からおぉぉぉ!!と歓声が上がる。
(転校生?こんな時期に珍しいな)
今は夏野のど真ん中だ、このような時期に転校生が来るなんてなかなか無い事だろう。
「と、言いたいところだがまだ来てねぇみたいなんだよな~」
えぇぇ~、とクラスから不満の声が上がる、それはそうだろう転校生と言うのは何やかんや言っても期待してしまう、それをお預けされてしまっては不満も出るだろう。
(何だよどんな子かチョット興味あったんだけどな、て言うか初日から遅刻ってスゲェな...)
何となく外を見る、いつも通りの青空、快晴だ。
(何だ、あれ?黒い点が...)
空を見ていると青空の一部に黒い点があった、それがだんだん大きくなっていく、いや、こちらに向かってきてガラスを突き破った。それはバランスボールよりも1回り位の大きな黒い球状のものだった。
「うお!びっくりた!何だこれ、ボール?」
担任が教室の窓を突き破ってきたボールを確認する為に近寄って行く、周りの生徒達も机を立ってボールの近くまで行く。
「何でこんなものが窓突破って入ってきたんだ?」
そう言って担任はボールを持ち上げる、だが、それがいけなかった。
ぐぱぁ
とボールが裂け、そこには人間の様な歯が並んでいて、手足も生えてくる。
「え?」
きっと担任は自分がどうなったか良く分からなかっただろう、恐らくはそれを認識する前に担任の頭は黒いボールに喰われ、残った首からは噴水のように血が吹き出している。周りの生徒達は呆然としている、もちろん那羽斗も例外では無かったが。
『逃げて!!!』
頭の中に神様の悲鳴にも似た声が響き渡り我にかえる。
「逃げろぉぉ!」
那羽斗の叫びにやっと周りの生徒達も我に帰り各々に悲鳴を上げながら逃げ惑う、あの黒い球体は担任の体を貪り喰っている、逃げる時間はまだある筈だ、たがそれは『1体だけ』ならだ。
ガシャン、ガシャン、ガシャン!
更に3つ黒い球体が入ってくる、たが先程とは違い既に手足も口も開いていて、近くにいた生徒に喰いかかった。
「きゃぁぁぁ!痛い痛い痛い痛い!!!!」
先程とは違い、頭ではなく手足を喰われている。頭とは違い手足を喰われているのだ痛みで絶叫もするだろう、悲鳴が教室中に響き渡る。
(何だよ、何が起こってるんだよ!!)
『那羽斗さん逃げて!急いで!!!』
頭の中に神様の声が響きわたる。
『どう言う事だよ!何だアイツらは!!』
『今は説明してる暇なんてありません!早く逃げて!!』
『け、けどクラスの皆が...』
『那羽斗さんが何かやった所でどうにかなる様なヤツらじゃありません!早く!!』
確かに自分が何かやった所で何か出来るわけでも無いだろう、たが目の前でクラスメイト達が喰い殺されていくのをただ見ているだけというのは...
ガシャンガシャンガシャンガシャン!
他の教室にもヤツらが来たようだ、他の教室でも悲鳴が聞こえる。
「っ、凛!!!」
凜のいるC組からも悲鳴が聞こえる、クラスの皆を助ける事が出来なくてもせめて凜だけは助ける事は出来るだろう。
『那羽斗さん凜さんだけでも!!』
返事をしている暇は無い、全速力でC組に向かって走り出した。