第六話 夫が割と積極的で困っています。
やっと続きが書けるようになり……ません。そして、短い。
欲望に素直になるのは避けてきた人間である。私はあまりにも特殊な「好き」を持っているからであり、それを言ってしまうと確実に「え、お前そんな奴だった?」みたいな顔をされてしまうのである。大変苦しい。好きなタイプと言われましても、ヤンデレなどとは言えないので、とりあえず優しい人とだけ答えておく。これも人生を損してきた原因かもしれない。人生はまだまだこれからと言われていたが、この状況でこれからなどとは言えない。もしかしたら、死んでしまっているかもしれない。もし、ここが異世界で、現実世界の私と分離しているのであればの話であるが。起きたら「あぁ、長い夢を見ていたな」と言えるような夢であってほしい。
「とりあえず、君はそろそろ寝たほうがいいかも」
「え?」
「いや、だって疲れた顔をしているし、それに、もう夕方だし」
「え、もう夕方……」
「そうだよ。夕方。君はずっとベッドにいるけれども、時間は確実に過ぎていたんだよ。でも、おかげで僕は君を探す手間もなかったし、ここにいれば君とずっと一緒にいれたから大満足」
やはり、最高。
「そろそろ、ディナーにしようか。大丈夫、君はそこから動かなくていいよ。食事は運ばせるからね。僕と一緒に食べよう」
「あ、ありがとうございます。あの、私お恥ずかしいことですがトイレの方に行きたく……」
「トイレ? じゃあ、連れていくね」
連れていくねとは。
「よいしょ……っと」
「へ? あわわっ! なんてことをしてくれているのです!」
「なんてことって、お姫様だっこだけど。もしかして、気に入らなかった?」
「いえ、重たいでしょう……?」
「重たいなんて思わないよ。それに、君は軽いからもっと食べたほうがいいかも、なんてね」
この状況、とても恥ずかしい。男の方にお姫様だっこなんてされたことは、今までの記憶をたどっても思い当たる記憶はない。つまり、初めて。なんてこった。
ぷしゅー。
「顔赤いよ。大丈夫?」
「なんかもう恥ずかしすぎて……」
何も言えない。顔も見れない。
次回の投稿がいつになるかは未定です……すみません。いそがしい。