猫と話す人々
少し間が空きました。すいません。
ここ、潮山の町は、海に面している小さな湊町だ。
たくさんの猫が住んでおり、今も視界に入っているほど、猫が多い。
そのうちに、町はいつしか「猫の住む町」として有名になった。
じゃあなぜここまで猫が住むようになったのか。
理由は主に3つ。
1つ目は、餌となる魚が獲れること。
2つ目は、猫好きの住民が多いこと。
3つ目は…
"猫と話せる"人間がいること。
正直、始めの2つはどうでもいい。
大きな理由は最後だ。
猫と話せると聞いても、そんなことがあるはずがない、と否定されるかもしれない。
だが、"猫と話せる"人の言うとおりに餌をやったりすると、思う以上に懐くのだ。
本当に猫と喋っているのである。
元々懐きにくい猫が懐くのだから、とんでもないことだ。
さらに、"猫と話せる"人によって猫は日本語が理解でき、それをアレンジした言葉を話していることが判明。
ただ、猫はきまぐれな動物なので、お互いの心がそれぞれに向いたときにしか話せない。
こうして、潮山は猫の住む町と言われるようになった。
因みに秋夜は猫と話せる。
「秋夜かにゃ。ぐっどいぶにんぐだにゃ。」
「お、お前か。」
キジトラの猫を手招きして呼び寄せる。
するとキジトラは秋夜のほうに近づいてきて、ちょこんと座った。
キジトラの喉で指を遊ばせてやると、ゴロゴロと喉が言った。
しばし、キジトラとじゃれ合っていると、夕陽が空を赤く染め始めた。
「ありがとにゃ。また明日にゃ。」
「じゃあな。」
と、こんな感じである。
自分は猫が好きだし、顔見知りもいる。
猫にはとことん癒されるタイプだ。
灯曰く、猫とじゃれてるときの秋夜は幸せそうな顔をしているらしい。
「秋夜さんも猫ちゃんが好きなんですか?」
不意に声をかけられ振り向くと、そこにはエレナがいた。
駄文失礼しました。