現れた転校生
えーと、初投稿です。
自分の出来る限りを尽くして行きます。
ーー僕らはこのまま大人になって、働いて、愛する家庭を持ち、やがて老いていく。
そんな普通の生き方をすると思っていた、彼女が現れるまで。
6月のある日、彼女は現れた。
「エレナ・ハルマーです。エレナと呼んでください。」
流暢な日本語で挨拶をした少女は、どう見ても外国人だった。
色素の薄い髪、真っ白な肌、整った目鼻。
そのどれをとっても美しいと言わせる容姿だった。
みんながその容姿に釘付けになった。
ただ1人、神野秋夜を除いて。
秋夜は人付き合いがあまり良くない。
他人に話しかけられると、口が強張り、喋れなくなる。
元々性格もツンとした彼に話しかけるのはよほど心棒が強い人か、フレンドリーな人のどちらかである。
このような状態になったのも深い理由があるのだが…
兎にも角にも、そんな彼には友人と呼べる存在が少ない、というかほぼいない。
秋夜にとってエレナはただ喋らない相手が1人増えただけ、という意味しか持たなかった。
だから、席が自分の隣であっても、別に気にしなかった。
自己紹介を終えたエレナは秋夜の隣に座り、礼儀正しく挨拶した。
「よろしくお願いしますね、秋夜さん。」
「こちらこそよろしく。」
エレナの挨拶に明らかに嫌そうな顔でぶっきらぼうに答えても彼女が驚かないことに、逆に驚いた。
駄文失礼しました。