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愚者の烙印  作者: 久我四門
2/16

プロローグ

やっとプロローグ(^^;)

どうぞよろしくお願いします。

雷鳴が天を引き裂いている。

黒々とした雲が低く垂れ込め、滝の様な激しい雨粒が大地に叩きつけられている。

カッ!

時折閃く雷光が、仄暗く世界を浮かび上がらせていた。

彼の眼前には二つの人影が戦っていた。

褐色の皮革のマントを羽織った金髪の男が腕を打ち振るい魔力を具現化させる。

眼前に幾つもの火球が出現する。

この雨の中でもこれほどまでに火焔系魔法を操るのを見れば、素人でも目を剥くに違いない。

男は彼の師にして「最強」とも言われる魔導士の一人である。体術、魔術共に卓越した才を持ち、彼自身が編み出した双方の連携による攻撃-魔闘術アーツ-は絶大の破壊力を持つ。

その師に戦いを挑む者は数多あれど、そのことごとくが地に這ったのを彼は知っている

師のマントが、それ自体意思を持つかのように風と溢れ出る魔力にはためき、同時に無数の呪文が解放されていく!

しかしその一撃必殺とも言える魔法は、もう一人の男に届く寸前で儚く消えていく。

また届いたと思われる魔法も濃紺のケープに雨粒ほどの損傷を負わせることはなかった。

ケープの男は対照的に静かに、マントの男に歩み寄っていく。

「師匠っ!!」

その声に応えるかのように、後方へ大きく飛び退り、手を払うように獄炎を呼び寄せるが、ケープの男が指を鳴らすような仕草をしただけで消し去った。

そして一際大きく雷鳴が轟く。閃光が走った!

一瞬、刹那の明転の後、彼はその光景に目を瞠った・・・そこには首を鷲掴みにされた師の姿がそこにあった!!

ケープの男の左腕を中心に見たこともない魔法陣が展開を始め、師が漏れ出る蒼い光に身体をばたつかせる。

走り出した彼を嘲笑うかのように、蒼い光を湛えた男がこちらを向く。

その間にも師は、不可解な魔法陣の中心にできた黒いモノへと引きずりこまれ、苦しげな顔をしている。

『師匠ぉぉぉっ!!』

それは果たして声に成ったのか?

眼前で消えゆく師の掌に彼は右腕を力の限り伸ばした・・・


失ったのは時間なのか?

奪われたのは腕なのか?

出会いと別離が背中合わせの運命というならば

この喪失感にも意味があるのだろうか

明日を憂い、昨日に慟哭するとき

彼女の笑顔が心を灯す


『愚者の烙印』

第一話【The Rain without noise】

微笑みは哀しみとともに


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