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愚者の烙印  作者: 久我四門
13/16

第11話.死闘

2話連続投稿です。

巨大化した<彼>は山羊頭人身である。

通称「バフォメット」。悪魔であった。他の個体よりも明らかに大きく、魔力も強大。

頭部にはクリスタルを埋め込んでいる。

「にーさん、テシウスはあそこだ!」

うっすらと見える人影。探し求めた師の姿である。

「早く取り戻さないと、死んでしまう」

ランドルフが飛び出した。

「おぉぉぉぉぉぉぉーーーーーっ!」

巨大な鎌をかいくぐり、ユミルの聖別を受けた剣を振りかぶる!

手加減無しの凍気が、周囲を荒れ狂う!

凍霊呪ブリザード・ガストである。範囲にあるものを、区別無く凍らせる魔法だ。

<彼>が呪文の詠唱を始める。

「させるかよ!」

詠唱を中断させようとするランドルフの前に、小型バフォメット.が現れる。

「くっ、邪魔だ!」

「来るぞ!雷帝戟ロード・オブ・サンダー!」

<白き羽ばたき 蒼天の風>

シオンの言霊に<彼>の呪文が掻き消される!

「僕は封韻(因)師。誰を目の前にして呑気に呪文を唱えてるんだぃ?」

ランドルフの剣が<彼>を切り裂き、カインの魔法が動きを縛り、シオンの言霊が魔法を無に返し、ユミルの祈りが仲間を包む。

(いけるっ!)

誰もがそう思った時、

「やめておけ。」

<彼>言った。

「はっ、命乞いか?」

「汝らは、所詮我には勝てぬ。テシウスが我が手にある限りはな!」

「・・・っ!卑怯な!」

「最高の褒め言葉だ、哀れな人間よ」

劣勢に立たされ、魔法を浴び、鎌の衝撃に打ちのめされた。

「ランドルフさん・・・」

シオンがふらふらと立ち上がりながら言った。

「なんだ?」

こちらも剣を杖代わりに、身を起こす。

「数分凌いで貰えますか?」

「何をする気なの、シオンちゃん?」

「奴の動きを封じます・・・ねーさんは、可能な限り支援を兄さんと、ランドルフ・さんに集中させて<彼>を倒して下さい。」

「シオン・・・」

「兄さん・・・最大の攻撃を叩き込んで下さい。さもないとテシウスも、みんなも、世界も倒れます・・・」

「シオン・・・まさか・・・」

「世界を滅ぼす訳にはいきませんよ。兄さんと姉さんのいるこの世界を」

「数分とは言わず、10分でも稼いでやるさ」

自らに回復魔法を施し、ランドルフは剣を構え直し、瞬く間に<彼>の懐へ入り込む。

「愚かな・・・まずは貴様から血祭りにあげてやる」

(やつはこの魔法は知らないはずだ)

最大の要である「あの技」を行使する間は、カインとユミルが無防備になるおそれがあった。

素早く前衛のランドルフに紅霊護円陣セーフティウォールを掛け、

<大地よ 神々の母よ 我が声を聞き すべての眼を閉じ給え>

描かれた巨大な結界がシオンの周囲に展開された。

霧方幻夢(ランドプロテクター)であった。セイジにしか使えない魔法で、結界内への範囲系魔法を封印する。

準備は整った。

シオンは呼吸を整える。時間も・・・魔力も残り僅か。あの技のチャンスは1度きり。

<世界の狭間 刻の宿命 四霊の溜息に 神の黄昏>

ユミルが全身全霊を込め、神に祈り、加護を下ろす。

カインが魔法を次々と唱え、ランドルフは最後の戦いに肉体を限界まで酷使してその時を待った。

<古の盟約により グレイプニルを 彼の者に与えよ!>

<彼>の周囲が歪み、聖なる光が幾重にもリング状となって出現した。


漆黒が笑う

刻雷が囁く

滅びと希望がぶつかる時

未来への系譜が繋がる


『愚者の烙印』

第十二話【雷神の系譜】

今、貴方に光が宿る

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