表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生物語  作者: 木賊チェルシー
幼少期
3/29

第二話 侍女編

「リシル様、体の調子が良いからと言って無理をしてはいけませんよ!」


 私は、リシル様の専属侍女をしている者の一人で、リティー・メ―ベルンと言います。今日のリシルはいつも以上に体の調子が良いらしく、庭に出る許可がおりたので庭に出て来ています。

 そして、私はそのお供です。

 他にも、私と一緒にリシル様の専属護衛の方がお供をしています。


 名前は、フェルマン・イスマールさん23歳。


「そうです。気を付けないとまた寝込む事になります」


 この方は沢山のお弟子さん達の中でも、トップクラスに入る方で、顔も整っていて誰にでも気さくな方なので、侍女だけで無く、貴族のお嬢様方にもとても人気のある方です。

 そして、この家の中でもトップクラスと言う事は、世界中でもトップに入り込んでいる方とも言えます。

 リバメンス家は、世界中でも注目を集める程の名家です。

 でも、何故こんなに凄い方が護衛を買って出ているのだろう? と少し前に思った事が有り、聞いてみた事が有ります。

 国の軍に入れば、かなりの地位まで行けると思うんですよね。

 そして、質問の答えは明快でした。


《リシル様に惚れたから。》


 だそうです………恋愛感情の方では勿論ありませんよ。

 以前、リシル様がかなり大きい力を暴走させてしまった時、周りに被害が及ばないよう、必死に周りの皆さんで抑え込もうとしていたのですが、丁度その日は里帰りや、王都に行っていた方が多く欠員だらけ、数人の術者と修行中の者たちだけしか居ない状態だったんです。

 全員参加でもリシル様の膨大な力を押え切れず、もう駄目だと言う時にリシル様は自分自身でその幼い体では膨大すぎる力を押えこんだんです。

 リシル様は4歳になられる少し前………これは凄い事です。大人でさえ力が暴走してしまうと周りが押さえ込むまで止まれない事が圧倒的に多いですからね。

 だから、魔形術の資格を持っていない人が術の練習をしたりするためには、ちゃんと資格が有る人の監督付きで無ければならないと、国の法律で決まっています。

 資格とは世界で唯一発行している神殿で試験を受け、受からなければもらえない物です。

 その中でも、上級の1位2位3位・中級の1位2位3位・下級の1位2位3位と分かれていて、上級の1位に限っては世界で5人しかいません。

 ちなみに、リバメンス家の長男であるレオナール・ディア・リバメンス様23歳は上級の1位です。

 そして、イスマールさんは上級の3位です。レオナール様とイスマールさんは同期です


 …………少し話がずれましたが。

 リシル様が力を押えこんだ時、緊急報告を受けたイスマールさんは丁度本宅に到着したんです。

 それで、その光景を見た時思ったそうなんです《自分の仕えるべき人はこの人だ》って。


 私も、その時その場に居ましたが……凄かったです。


 そして、それを切っ掛けに惚れ込んでしまったイスマールさんは、一生リシル様に付いて行くことを決めたそうです。

 男の人って良いですよね………なんかそう言う所が。


「分かってるよ。二人とも心配し過ぎなんだから…」


 リシル様の柔らかな声を聞いて、惚れ惚れする。

 この家の方達は平民などを差別したりしませんが、一部の貴族の方々は自分達は選ばれた存在なんだと思い込んでいて偉そうにしている方が居ます。気位が高いんでしょうね、それは爵位が高ければ高いほど多くなります。あと、当主の方はそうでなくても、ご子息の方が傲慢だったりしますね。甘やかされて育ったのでしょう。


 例外な方もいらっしゃいますが……。


 例でいうと、リバメント家です。平民だろうと貴族だろうと平等にお弟子さんを取っている所は全く差別がありませんが、貴族限定でしかお弟子さんを取らない所もあります。

 確かに、貴族の(ほう)が膨大な魔力を宿す人が生まれやすいのですが……。

 まあ、その気位が高い貴族の方々と比べてリシル様はまだこんなに小さいというのに、私達を気遣ってくれたり優しくしてくれます。ちゃんとお礼も言って下さいますし、自分に否が有る時はどんな人にでも謝ってくれます。

 こんな人に仕える事が出来て、私は幸せ者です…!

 それに、リシル様は歳の割に大人びています。他の貴族の同い年の子供達は我儘放題の方が多いというのにです。……これは、旦那様に同行した時に行った貴族の館でリシル様と同い年の子を見た時見たんです。侍女達や兵士達がすごく大変そうだったのが、しっかりと印象に残っています。

 …リシル様は、ベットの上で本ばかり読んでいたというのも有りますが…体が弱いせいで、同い年の子に会った事が無いんです。周りは大人ばかりだと言う事も有るんだろうと思います。


「それに、久しぶりなんだから大目に見て?」


 そして、嬉しそうにほほ笑むリシル様。

 そのほほ笑みに、侍女を始めとし、お弟子さん達、リバメンス家に仕える騎士達、そして勿論の事リバメンス家の方々、皆メロメロなのです。



☆修正入れました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ