第一話
この世界に転生してから5年経ち、やっと色々な事を物申せる歳になりました。
喋れるようになったばかりの子供が、大人の様な事を言ったりしたら色々と可笑しいのは分かっていたので、子供らしく振る舞ってました。
今もそうだけどね。うまくいってるかはわからないけど……。
でも、流石に大人(14歳+5歳なので今は19歳)……、どちらかと言うと青年だけど、その精神で子供らしくは限界が有ったので早熟な子って感じになってます。出来るだけ子供らしく振る舞うようにずっと努めてはいるんですけどね。やっぱりうまくいってるかどうか……。
ともかく、
転生前は体が弱いせいで病院生活を送っていた僕ですが……、今でもベットの上での生活をしなければなら無くなっています。
えぇ?
と、そう思った方いませんでした?
言ってしまうと、前世では体の中の臓器があちこち悪かったらしいんです。
幾つかの臓器さえ移植出来れば元気に成れると言われていたのですが、移植は間に合わず………そのまま死んでしまいました。
死ぬ少し前から人工呼吸器を着けられ、もうベットから離れられなくなっていました。病室から出るなんてもってのほか。見えるのは窓からの風景と通ってくれている家族、担当医の先生に看護師さん、入院生活中にできたオタクのはいった例の友達。この親友ともいえる友達が居なかったら、この状況を理解するのにもっと時間が掛かったんだろうなぁ。後になって少し感謝。彼のおかげでいらない知識も増えたけど、無駄ではなかったらしい。
まあ、後悔なんてモノはしていません。精一杯生きましたしね……、母と父には申し訳ない事をしましたが。今ではこの状況を幸運に思える。
転生後、つまり今の体は、体内にある魔力がこの小さい器(体)には大きすぎるために、体が持たないという難儀な体となっています。
この世界では《陣形術》と言う魔法の様なものが有り、それは魔力で魔法陣を出現させ、様々な力を発動させる事が出来る。そしてその陣形術を発動させるために必要不可欠な魔力が有ればある程もちろん仕える陣形術の幅が増えて便利だし、使えればまず仕事に困らないそうです。まあ、魔力が有っても陣形術を余り使えない人もいます。いわゆる脳筋などと言われる人たちですね。
だから、私は魔力を持たない人、少ない人には大変羨ましがられる場所に居る訳なのですが……逆に有り過ぎると厄介な事になる事が分かりました。
魔力が有り過ぎて、術が勝手に発動してしまうんです。
そして、体の中に魔力が有り過ぎるだけでもたまに死にそうになるのに、勝手に術が発動することで体の中身が滅茶苦茶になってしまう事で自分は瀕死状態に。
そして、発動は何かしらあるたびにしそうになる。
自分には子供の頃からちゃんと意思が有ったので、有る程度は抑えられるんです。抑えても発動しそうになった反動で、高熱などが出てしまったりしますが。
でも、それは小さい規模だけであって、とっさの時や大きい規模の術が発動しそうになればもう抑えきれなくなってしまいます。
一回だけ、とても大きな規模で発動してしまい、三途の川…の様なものを見てしまった事も……
良く死にかけながらも生きているのは、自分の生まれた家が陣形術の名家だったお陰です。
陣形術を覚えたい者は、10歳になると、どこかの家の弟子になることでその家独自の術を覚え、何か仕事をしていくようになっています。
軍に入るもよし!
冒険者もしくは旅人になって世界を回るもよし!
我が家は、弟子の人達にとって第二の実家の様なもの。屋敷のすぐ隣には、寮の様な建物も有り、そこで生活している人もいるんです。
普段は、この屋敷で働いている人しか居ないのですが、学校の方に建っている寮に入っている学生の人達が、休みの間だけ屋敷の隣にある寮の方に泊ったりするそうです。そして、訓練と勉強をしています。
まぁ、学校に行かない人もいるそうですが。
名家である我が家には、優秀な術者がかなり居ます。名家の名前は伊達じゃないんですよね。自分が死にそうになるたび、十数人がかりで回復専用の術をかけてくれています。
大人になれば小さい体では耐えきれなかった力も平気になってくるそうです。前世よりまし………、なのだと思っています。。
そんな思想の中に浸っていると声が聞こえて意識を浮上させる。
「あら?リシル今日は体の具合大丈夫なの?」
ベットの上で上半身だけ起こしていたリシルは声の主の方へ顔を向ける。
「はい、母上今日は久しぶりに調子が良いです」
この話しかけてきた人は、メリアナ・メル・リバメンスと言い僕の母親。白銀の髪と藍色の目をしたあの人で、子持ちとは思えない位若く美しい人だ。
そして、僕の名前はリシル・ルノ・リバメンス
僕も良く「小さくてこれだけ綺麗何だから、将来は見た事の無い位の綺麗な人に成るだろうな」とか言われるがお世辞だろうと良く流している。
あと、リバメンス家は有名なんだそうです。………ちょっと半信半疑でこの話を聞きましたが、貴族と聞いて、思い当る事もあり納得しました。気品て言うのかな? みんなすごいよ。
普通の動きがなんというか優雅で洗練されてる。普通だったらなんとなくの行為に目を奪われることもしばしば。
ちなみに家族構成は、両親に加え兄が二人、姉が三人居ます。とはいってもその中には従兄妹も混ざっています。
父の弟であるハンジ叔父様とその奥さんであるマリネ叔母様が事故でお亡くなりになられたので、引き取ったんだそうです。と言うより後継人になったらしい。ハンジ叔父様はマリネ叔母様の所へ婿入りしたのだそうで、領地がある。成人を迎え、領地をしっかりと治められるようになるまでの後継人だそうです。
「後で、お父様が来るそうよ。良かったわねリシル」
にこにこと言ってくる母に、子供らしいであろう笑顔を母に向け答える。
「はい!最近忙しそうで会えなかったので、嬉しいです!」
「うふふふふ」
これが家で良くある風景である。
☆ちょっと改編。従兄妹たちとの関係性? をちょっとかえました。
そして少し文を増やしました。気付いたら勝手に指が……。