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転生物語  作者: 木賊チェルシー
幼少期
19/29

第十四話 だーれだ!

「急いで~! パーティー始まっちゃうわよ!」

「急いでって……、お前が道間違えたせいでこんな時間になったんだぞ」

「ガトーさん諦めましょう。方向音痴の人に頼った僕たちがいけないんですよ……」

「……それ、言ったらおしまい」

「なによ!みんなして酷いわぁ~」


 今、リバメント家のすぐ近くの森を馬に乗って疾走する冒険者一団がいた。

 先頭から、扇情的な格好をした女性。髪は艶やかな赤みを帯びた黒髪に藍色の瞳、肌は雪のように滑らかな肌は白。体の凹凸のくっきりとした、異性からも同性からも視線をその一身に集める艶めかしい美女。名前はフィー20歳、愛称らしいが本命は仲間ですら聞いたことがない。


 2人目は背が高く、身体つきも筋肉がきっちりつくところにはついている青年だ。濃い金髪に緑の瞳、浅黒い肌。美形ではないが、精悍な顔をしている。名前はガトー・ロルク22歳、真面目でしっかり者なのでこの一団のまとめ役だ。


 最後の二人は兄妹、兄の方はリク・フーデンス18歳。青年と言ってもいいかもしれない年齢だがまだ幼さがまだ抜けきらない顔だ。妹の方はリナ・フーデンス15歳。まだ少女と言ってもいい容姿で、兄弟そろって朱色の髪に紅の瞳を持っている。


 後ろから三人は幼馴染。ギルドで依頼を受けた時たまたま同じ依頼を受けたフィーと出会い、意気投合。それ以来一緒に行動している。

 そして今回は、フィーの弟の誕生日パーティーをやるとの手紙が届いたので『一緒にどう?せっかくだしおいでよ』と誘われ向かっている最中だ。

 どうやら手紙の文中に『お友達連れてきてもいいわよ』と有ったらしい。


「しかし、こんな森の中に家なんてあるのか?」


 ガトーはリフィーに疑問を投げかける。

 この疑問はもっともな事だ。はっきり言って宵に近くなれば近くなるほど森は動物の他にも魔獣などが出やすくなって危ない。だからこそ人は集団で生活するのだから。

 森に入る前に大きい町に行った時、ここに実家があるのかと三人は思ったのだが『さあ、明日は馬で移動よ!』とフィーが言ったのを聞き『えっ?』となったのだ。感情が乏しいリナですら首をかしげていた。

 それもそのはず、フィーが馬で移動すると言い出した“明日”がパーティーをするらしい日なのだから。そして、ここいら周辺にはこの町だけで、朝に出て夕方には着くようなところに町おろか村すらない。

 その事に、フィーは『我が家はちょっと特殊な事情があってね、弟が生まれる前はこの町にあったんだけど~』少し間をあけてから『まだ教えてあげな~い』すっごくいい笑顔で締めくくった。

 フィーは普段自分のことを全くと言っていいほど話さない。弟がいるのも初めて聞いたが、出身地も聞いたことがない。事情があって初めてのことにリナ以外の男二人は若干緊張しながら聞いていたのだが最後ので気が削がれてしまった。

 その後も、この話は出なかったのでその“特殊事情”の話はいまだに聞けないでいる。

 馬でいくらか走り続けると森の先に明かりが見えた。


「着いたのか?」


ガトーがフィーに向かって聞く。


「いいえ、まだよ。ここで馬を降りて歩いていくの」

「……?」

「何でですか?」

「これも”特殊な事情”の一つかしらね。後で分かるから今は教えないわよ~、面白いし!」


はっきりと言い切るフィーに飽きれ顔のガトーとリクを綺麗にスルーしたフィーは馬を降りる。三人もそれに続き馬を降りる。

そして、先ほど見えた明かりのついている馬舎に馬を入れて歩き出す。


「少し歩いたら多分“あの子”が出てくるから、後ろで観戦しててね~」

「あの子?」


ガトーとリクは聞き返すが、フィーは笑うだけで答えない。


「そろそろね」


そう突然つぶやくと、荷物の中から大きめのフードが付いたコートを取り出し身にまとう。ボタンもしっかり全部留め、フードも深くかぶる。


突然のことに『どうしたんだ?』という視線をを無視する。


「手は絶対に出しちゃだめよ~。 大怪我することになるわぁ~……痛いのは嫌でしょ?」


『何が起こるんだ?』と聞く前に突然の乱入者の声に遮られる。


「そこの侵入者共、即刻ここから立ち去れっ!!」


威圧感のある声が森に響く。月をバックにしたその声の主の顔は見えない。大きい影が四人を包み込んでいた。



「来た来た~♪」



楽しそうにフィーが呟くのを聞きながら『いったい何事!?』と男二人は驚きを隠せない。



  「立ち去らないのなら……、


         

               排除するっ!!」



その宣言を聞いたフィーは笑みを深めると、



「さぁ、どのくらい強くなったのかしらね~」



その時のフィーは本当に心の底からから楽しそうだったと言っておこう。







なんか中途半端なところで区切ってしまいました……。


なんかごめんなさい。

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