第十一話 パーティー?
いつもより早く更新で来た気がする事も無い気がする。
…………御免なさい。
自分で言ってるのに自分自身よく分かっていません。
気にしないでください。
結局更新遅い……
1日1話更新している人尊敬です。
「誕生パーティー……ですか?」
「そうよ」
リシルと話しているのは母メリアナだ。
兄のレオナールが王都に戻った数日後、突然朝早くにリシルの自室へと訪れたメリアナは、いつも以上にニコニコと笑顔でスキップしながらやって来た。
その様子と、いつも訪れる時間よりはるかに早い時間にやって来た事で、リシルは『何か大切な話でもあるのだろうか?』とは思ってはいたものの、まさか誕生パーティーをするなどど夢にも思っていなかった。
貴族の大きな誕生パーティーは有る程度の地位さえあれば1歳から数年ごとにあるものである。
リシルの家は地位が高いので当然1歳の頃からパーティーは本当ならやる筈だった。
だがリシルの場合、やるにやれなかったと言える。
気付いている人は気付いているだろうが、なぜならリシルはベットの上の生活をしていたから。
小さい頃は特に、世話役のメイドですら有る程度の陣形術を使える者(中級の2位以上)にしか任せられなかった程酷い時が有ったから。
メリアナは友人や知人にリシルを見せたくて見せたくて自慢したくて堪らなかったらしいが、無理なものは無理。
大人になるまでは無理なのか、とずっと思っていたらしいが、リシルが魔力の暴走をしなくなり、かなり落ち着いた事で諦めていた思いが実現する事になったとメリアナは嬉しそうにリシルへ話す。
当の本人はついていけずにキョトンとしているが。
『こんなに貧弱な私を自慢なんてしてどうするのか……』と思い、内心ではけっこう困っていたりもする。知らないのは本人ばかり、というやつだ。
「仕立て屋を呼んで、パーティーの衣装を作ってもらいましょうね~」
「良いんですか?」
「何が?」
「何がって、僕がそうゆう色んな人が集まる場に出ていいのですか?」
リシルがもし人が集まる場所で暴走した場合、集まっていた人々に怪我をさせることにになるかもしれない。
それが、他国の人だったら外交問題に成る可能性もある。
他国の人では無く、自国の貴族の場合でも然りである。
「大丈夫よ~、お母様にお任せなさい!」
「任せなさいって……えっと……、取りあえずパーティーにはどのような方が来るんですか?」
楽しそうな母に異論は挟めず、取りあえず気になる事を聞く事とした。
リシルは屋敷から外に出た事が無いため知り合いがあまり居ない。
自分の家族や親戚、後は使用人とフェルマンの様に護衛などに付く者くらいだろうか。
「そうね、私の古くからの友人とかあの人(父)の仕事仲間かしら?
余り沢山の人を呼ぶつもりはないの。リシルの負担にならない様にしたいしね」
「父上の仕事仲間!?」
ますます『良いのか?』という疑問がリシルの心の中で増幅される。
リシルの家は言っては何だがかなり高位の貴族だ。リシルの父は貴族の中では一番高い爵位をもっている。
言ってしまえばこの国の中心核の一人。
しかも旧家である。
そんな父の友人……
怪我なんぞさせたらかなりヤバいのでは?
そんな思考を頭の中でグルングルンさせていたリシルは遠い目になっている事を自身で気付かずに『ヤバイヤバイ』と考えていた。
そんなリシルは、メリアナの言葉で思考の渦から戻ってくる。
「短時間だけリシルが出るようにするからね。ずっと皆に自慢してるのも良いけれど、また寝込む様な事になったら大変だものね?」
浮かれているように見えるメリアナだが、リシルの事をしっかり考えている様で余り夜遅くまでやるつもりはないとの事。
そして、その事を聞いたリシルは少し安心したとの事だ。
「あの人(父)にも久しぶりに手紙じゃなくて生で会えるし♪」
「……それは良かったですね」
最後の言葉を聞いたリシルは『そっちが本当の狙いか!?』と思ってしまったのはしょうがないかもしれない。
リシルの父は国の中央で働いている。
簡単に言えば王の幼馴染。
何とベタな。
最近はごたごたが有った国の方へ行っていた。
帰って来た後も、王城からしばらく帰ってきていない。
「待ちきれないわねリシル」
「……そうですね」
何だかどっと疲れた様な気がするリシルであった。