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スイートポテトとアーノルドの叔父

マリ姉の時差ぼけはすっかり良くなったようで、昨日はは高校時代の友達と忘年会に行って帰って来たのは遅かったみたいだ。


もう明日は大晦日だ。おばあちゃんが帰ってくるし。


昨日はおばあちゃんが帰ってくる前に大掃除をしなくてはとコンビニに行く暇がなかったので、今日は朝からコンビニに来ている。自分の家の大掃除は。。。まあいっか。寝るためだけに帰ってるような物だし。


コンビニには朝ごはんを買いに来たマリ姉がいた。この姉妹(本当は叔母と姪だけど)は本当にコンビニ好きだなと店員さんに思われてるだろうな。


さて。。今日はとりわけ寒い。店内にはおでんのつゆの香りと。。もう一つは。

あーー焼き芋。焼き芋機って最近何処にでもあるよね。


アーノルドは焼き芋好きかなと思ってチラチラ見てたら、マリ姉が二日酔いには味噌汁、出汁、おでんのつゆってぶつぶつ言っている。


焼き芋は美味しいけど冷えちゃうとな。

あ、スイートポテトでいいかな。

いつも通り2つ買うと、マリ姉が私の方をじーーと見てる。


「ユリ、あんたこれから時間ある?うちこ

れる?」


元々そのつもりだったので、マリ姉とおばあちゃん家にやって来た。


インスタントのお味噌汁を飲みながら、マリ姉は真剣な顔で私に聞いて来た。


「あんた、最近大丈夫?なんかコンビニに毎日のように通って、大量のスイーツ買ってるけど、5年も付き合った彼氏にフラれたのは辛いけど、失恋の後のやけ食いはお肌に悪いわよ」


「は?全然傷ついてないし。て言うか、大量じゃないし、2人分だよ」


「十分多いわよ、誰かと食べてるんじゃないでしょ」


「友達の分も買ってるの!」


「えーーあんた最近、ここと家とコンビニにしか行ってないじゃない。あ、あの腕輪の子?男の子??」


急にマリ姉はニヤニヤし始めた。


つい顔が赤くなる。


「ねえ、写真ないのー?見せてー」


「別にそんなんじゃないから」と言いながら、汗を拭こうと、バックからハンカチを出そうとしたら。この前プリントアウトした写真が床に落ちた。


マリ姉が写真を拾って、見た瞬間に固まった。

「エ、エリック?じゃないよね、もうこんな若くないはず。ユリ、この人誰?」


「え。。王子。。ぽい。。うちの大学の交換留学生でアーノルドっていうの」


「そ。。そうか、そうよね。もう25年前だもんね。」


「そんなにその人に似てるの?で、誰なの?」


「似てるわね、雰囲気とか。あんたの母さん、雪姉さんがあんたの父さんと付き合う前の彼氏。よく家に来てたのよ。黒髪に紫の目ですごく珍しいから初めて会った時びっくりしたわよ。いつも2人でお茶飲んでたわよ、茶色のティーセットで。あんたがよく使ってる砂時計のティタイマーはエリックさんがくれたのよ」


「え?あれってマリ姉が買って来たんじゃないんだ」


なんか色々、大爆弾が落とされた。


二日酔いから復活したマリ姉は、得意先に年末の挨拶をしてくると言って出かけて行った。帰りに大晦日のご飯の買い物に行ってくれるそうだ。

お節はおばあちゃんが張り切って、有名料亭のお節をオーダーしてるから、明日取りに行くだけだし。


そろそろ15時。一応スイートポテトはトースターで温めておいた。

今日はまたアールグレイティー。

砂時計をセット。


「アーノルド、来たよー」


今日はリビングにいないなと思ったら、下の階から声が聞こえた。


「今行くー、ちょっと待ってて」すぐにアーノルドが階段を駆け上がって来た。


「今、大掃除してたんだ、新年が近いしね」


お、この国でも大掃除ってあるんだ。


「侍女が掃除してくれるんじゃないの?」


「リビングとかはしてくれるけど、寝室は誰にも入ってもらいたくないから、自分で掃除してるんだよ。シーツ交換とか綺麗だし早いんだよ」とちょっとドヤ顔で言われた。かわいいな。


「ほら、お茶が冷めちゃうから早くおやつにしよう。今日はスイートポテトだよ」


「え?さつまいも?」


「違うよ、さつまいもを蒸してペースト状にして。お砂糖とかクリームを入れて混ぜて焼くんだよ」


「何それ、絶対美味しい。俺は芋系大好きなんだ」


アーノルドがスイートポテトをほぼ一口で食べた。よっぽど美味しかったらしい。


「私のもあげようか?」


「それはユリのだし。。」って言いながら、私のスイートポテトに釘付けだ。


「最近食べ過ぎだから、あげるよ」


アーノルドはすごく嬉しそうな顔をして、今度はゆっくり食べていた。


「アーノルド、食べながらでいいから聞いて、あなたに似ていて、25歳ぐらい年上で、エリックって言う人知ってる?」


「ん?エリックは叔父上だよ。ここに幽閉されてた、歳もそれぐらいだったけど、25年前に亡くなったから、僕は会ったことはないんだ」


「あなたの叔父様はあなたに似ていた?」


「まあ髪と目の色は一緒だからかね」


「写真じゃなくて、絵姿とかないの?」


「寝室のクローゼットにあったかな?見に行く?掃除してた時に見た気がする」


今日は2杯目を飲む気はないけど、熱々のお湯をティーポットに加えて、冷めないようにティーコージーも被せる。砂時計の砂が落ちるスピードが遅くなったのを確認して、下の階に行く。


寝室の奥にドアが二つあって、左はバスルーム、右がクローゼットだった。


アーノルドがクローゼットを開けて中に入ったので私も続く。クローゼットが私の部屋より大きいんだな。幽閉の部屋のクローゼットに負けるなんて。


奥の方に絵が数枚立てかけてあるので、アーノルドが一枚一枚チェックしている。私はクローゼットの中をキョロキョロ見ていたが。手前に見たことがある箱があった。


これは茶色のティーセットが入っていた箱だ。ティーコージーにはおばあちゃん家のような館の刺繍。私のものにそっくりな砂時計も入っている。


マリ姉はお母さんとエリックさんは茶色のティーセットでお茶を飲んでいたと言っていた。


心臓がドキドキして来た。


「ユリーーー、あったよ」


部屋の奥で肖像画を私の方に向けて見せてくれる。確かにアーノルドに似てる。


「あれ、何か裏に書いてある。これ日本語じゃない?ユリがくれた本に書いてあったのと同じ、でも僕には読めないな、漢字?がある」


アーノルドが絵を持って来てくれた。


絵の裏には「愛しい雪へ」と書いてあった。



こちらのスイートポテトは、何か繊維質でねっとりしてないのです。焼き芋食べたいなあ。

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