おばあちゃんとお節
うーーん、もうそろそろ起きなきゃいけないが、なんだか暖かい。
今は何時だろう?
はっと目を開けると目の前に黒髪のイケメンが寝ていた。え?ここ何処?
どう見てもおばあちゃんの家のリビングだった。
どうやって塔から帰って来たんだ?なんでアーノルドがいるの?
もそもそしているとアーノルドが目を覚ました。私を見るとにっこり笑って、おでこにキスをしてくれた。
どうやら塔で一晩過ごした後、私が寝てしまったので、明け方に私を返し、その直後にアーノルドもこっちにやって来たそうだ。
「どの状態でユリがこっちにつくかわからなかったから、バームクーヘンの様に毛布でぐるぐる巻きにしたんだよ、こっちについたら。ユリは立ったまま寝てたよ、すごいね」
いや、それ褒めてないだろう。
ベットで寝かせてあげたいけど、おばあちゃん家なので勝手がわからず。寒くないようにこたつで寝かしてくれたらしい。
「こたつって凄く眠くなるんだね。でも今は喉がカラカラだ」
「今、お水持ってくるよ」と言ったが、動けない。私はまだ毛布で簀巻きだった。。
アーノルドに解いてもらい、キッチンに行って、グラスに水を注いでいたら。後ろからアーノルドに抱きしめられた。
ちょっとでも離れると寂しいって。。
うわー、アーノルドでこんなに甘々キャラだったのか。
ティーポットはちゃんとマグカップウォーマーに乗ってるし、できる男だな。
2人でリビングを片付けて、お節を出して、小皿などの準備をしていると、マリ姉が起きて来た。
「お母さん帰ってきてないよね。セーフ。。正月からダラダラしないって怒られるとこだった。あ、お二人さん、明けましておめでとう。なんか2人の距離近いね」ってニヤついて言われた。
返事をしようとしたら、玄関から音がした。
3人で玄関に向かったら。
俯いて靴を脱いでいたおばあちゃんは顔を上げて、「ただいま、明けまして。。エリック??」と叫んだ。
そして腰を抜かした。
私達は大慌てでおばあちゃんをリビングに運んだ。
「ごめんごめん、エリックさんは亡くなったのに、しかも25年前の様に若いままで絶対幽霊だと思ったの」
まあ、それはびっくりするな。
でも、元旦の朝っぱらから出る根性のある幽霊はいないと思う。
「エリックさんの甥っ子なのね、本当に似てるわ。あんないい人が亡くなるなんて。エリックさんの誕生日なんだって嬉しそうに出かけたユキが半狂乱になって帰って来て、エリックさんが亡くなった事を知ったの。自分のせいだって大泣きしててね。本当に2人は仲が良かったから。どうやって亡くなったかは教えてくれなかったけど、毎年エリックさんのお誕生日にはここに来て、自分の部屋でアールグレイティーを飲んでたわ。あの紫のティーセットは使わずに、ただ見ているだけだったけど。ユリのお父さんと結婚してもそれは続いていて。ユキが亡くなった後は私は2人が向こうでお茶を飲めるように、毎年アールグレイティーの缶をお供えしていたのよ。ユキは辛い時に支えてくれた、あなたのお父さんもちゃんと愛していたけど、エリックさんの事はどうしても忘れられなかったの。責めないであげてね」
だから、あのアールグレイにお茶は新しかったのか。でもそのおかげで私はアーノルドに会えた。
お母さんが引き合わせてくれたのかな?
ちょっと感動してる横で。
「あぶねー、危うくユリが従姉妹になる所だった」とアーノルドが呟いてる。
え?そこ?
「じゃあ、アーノルドくんとの素敵な出会いに感謝して、乾杯してお節食べましょ!」とおばあちゃんがいうと。
マリ姉は「あの美味しいりんごのお酒もうないの?」って。
マリ姉、あなたきっと昨日1人で金貨何個分呑んだか知ったらひっくり返るよ。
みんなでわいわいしながら、お節やお雑煮を食べて。昨日の残りのアイスをこたつで食べて。
アーノルドがポツリと言った。
「幸せすぎて、夢なんじゃないかって心配になる」
私はそっとアーノルドの手を握って
「こんなの序の口だよ、もっともっと幸せになって、楽しい事しようね」って言った。
その後、アーノルドにマリ姉とおばあちゃんの前でキスされて、盛大に冷やかされた。
どれだけアイス買ったんですかね?夢の全種類制覇かな?私はビックモナカが好きです。




