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平和を維持するのに最も強い武器は……

作者: 小雨川蛙

 ある王様が統治していたある時代。

 人々は最も平和を享受していた。

 王様を頂として他の貴族達は争うことなく、それ故に人々は精々明日の夕御飯の献立くらいしか心配事がなかった。


 そんな王様が崩御して一年後には血で血を洗う凄惨な時代が訪れたものだが、今を生きる我々としてはかの王がどのような手段を用いて平和を維持したのかが気にかかるものだ。


 幸いなことにこれについては有名な小話があり、今すぐにでも教えることができる。


 つまり、下記のようなものだ。



 ***



 偉大な王様の死を見守ったのは道化だけでした。

 道化は王様に質問しました。


「王様。あなたはどうやって平和を守りきったのですか」


 王様は答えました。


「簡単なことさ。怪しい動きがあればそいつの下へ行って『それ以上変な真似をすればお前の平和を奪うぞ』と脅したのさ」


 道化はこうして世界で最も強く残酷な武器が『平和』であることを学びました。



 ***



 滑稽な馬鹿話のようではあるが、近年ではこの小話はある程度は真実に近いのではないかという見方が歴史家達の共通の認識である。

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