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私が転生するまでの21日。  作者: 古海 政貴
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あと21日。

 タイトルどうだろうか?

私、古海(こかい)政貴(まさき)47歳が末期の癌と診断されてから10日が経ち、入院先のベッドで考えに考えたタイトルなのだが……。


 ちょっと前に○○日後に○○するなんとかが流行ったので、ちょっと抵抗してのだが、妻との記念日が21日だったし丁度、転生するまで21日前だったので、このタイトルにしました。


 まず、幾つか説明をしないといけませんね。


 ひとつ、なぜ私が転生するまでの出来事を話にしたかったというと、私がいなくなった後に少しでも妻にお金を残そうと思ったからです。


 印税ですね。実際、売れたらどれくらい貰えるのですかね?


 ただ、私は小売業一筋24年でつたない文しか書けないのですが、妻のために頑張って書こうと思います。


 ふたつ、これが一番重要なのです!私は『癌患者が不安を「転生するから大丈夫だ」と言い聞かせて不憫だな~』などと思われてたら、大間違いですよ!!

 なんと、夢の中で女神と会ったのです!


 『はぁ~、やれやれ』と思いましたか?


 夢の中で女神に謝られました。


『政貴さん、申し訳ございません。こちらの手違いで妻の涼子さんに発症させる病気を誤ってあなたに発症させてしまいました』


 私は頭を下げる女神を見ながら私はホッとしたのを覚えています。

 妻が苦しい思いをしなくて良かった。心からそう思いました。


 女神は続けてこう、言いました。


『あなたは病気で202○年○月21日にこの世を去ります。その暁には別の世界に転生してもらおうと思います』

 ※万が一、話が売れた時に検索されそうなので詳しい日にちは伏せておきます。


 不謹慎ながら、私の胸は踊った。


 転生小説は大好きだ。あれはトラックに引かれたり、ブラック企業で過労死しないと行けないと思っていたからだ。


 何はともあれ、そんなことがあり、病院嫌いで「病院に行くときは死ぬ時だ」と常に言っていた私が、体の不調を訴えて病院を訪れたのが10日前のことだ。


 医師が言うに「気管支に出来た癌が身体中に転位している。持って半月」だそうだ。妻は泣いていたが、私は女神に言われた通りだったので、あれは夢ではなかったのだと確信した。


 本当はすぐに治療を始めたかったが、女神の計らいか脳にも癌が転移しているので痛みも感じない。治療を先延ばしにしてひとり病室であと21日間、スマホの小説投稿サイトに話を打ち込もうと思う。


 もうすぐ、妻が着替えやらを持ってくるので、今日はここまでとする。


 明日は転生したあとに貰えるスキルが何かいいかでも考えようかなと思っている。

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