表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハルピュイアの厄払い  作者: 葉月 優奈
エピローグ
55/56

055

ルビニオンの町並みは、賑やかだ。

レンガ造りの町並みは、多くのハルピュイアの住む住居が見えた。

大通りを、レッカ戦闘に行軍していく。

歓声が、あたし達を出迎えた。ルビニオンの騎士団は、英雄になった。


風壺のスライムを対し、テュポーンも封じた。

全ての戦いを終えて、あたしは生き残った。

周囲にいたハルピュイア達は、英雄の凱旋に興奮していた。


「よかったな、無事に帰れて」

「そう」ガルアが声をかけるが、あたしは落ち着かない。

周りのハルピュイアでも、羨望の眼差しでみていた。

だけど、あたしに向けられる目だけが違う。


やはり、他のハルピュイアとあたしは違う。

翼の色が違うだけで、見られ方は全然違った。


「大丈夫か?」

「平気、あたしは慣れているから」

あたしは、ずっと重苦しい顔を見せていた。

あたしにとって、一番大事な相棒を失った。

歓喜と、喜びのお祭り騒ぎの中でも、あたしの表情は暗いままだ。


「アイが、いなくなったんだよな」

「そうね」あたしは正直、落ち込んでいた。

顔に出さないように我慢しても、それをできるほど気丈なハルピュイアでは無い。


「でも、今のお前は一人じゃ無いだろ」

ガルアが、自分のことを指さしていた。

それでも、あたしは前を向いて飛んでいた。


「まあ、アイの代わりになれないけど。

それでも、レステのために」

「うん、頼りにしている」

あたしは、それでも少し照れた顔を見せていた。


そう、ガルアにはいつの間にか心が許せるようになっていた。

あたしにとって、ガルアも大事な仲間だ。

長いことを旅していて、ガルアのことを多く知った。

そして、あたしは前向きになれた。


「あたしは、アンタのことを……好きなのかもしれない」

「ん?」

「何でも無い。忘れて」

あたしは、歓声響く大通りを飛んでいた。

レッカ達の隊列の中で、あたしも真っ直ぐに飛んでいた。

目の前には、ルビニオンの大きな城が見えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ