↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハルピュイアの厄払い  作者: 葉月 優奈
三話:bancs de vase
PR
41/56

041

スライムの群れは、いつまでも無限に続く。

それでも、あたし達は戦い続けた。

階段を下り、またまた出てくるスライムを相手にした。


レッカも、パノムも、ガルアも強い。

だけど、スライムは気を遣う難しい相手だ。

体に触れるだけで、解けてしまう。


精神的にも、肉体的にも疲弊しながらそれでも前に進む。

アイとあたしも、奮闘し続けて階段を降りていった。

そして、とうとう辿り着いた。


「螺旋階段は、これで終わり。ようやく1階に、たどり着いたわ」

先に一階の床を踏んだのは、レッカ。

ここに辿り着いたのはあたし達五人と、帝国の若い兵士が一人だけ。

しかも、この兵士は補給兵で戦闘には参加しない。


他の帝国軍兵士は、ほとんど戦線を離脱していた。

スライムの苛烈な攻撃で、多くの兵士がここに辿り着くことが出来なかった。


「スライムは……少ないし。やっぱり、あるわね」

円形の部屋は、黒い壁で覆われていた。

部屋の中央には、大きな壺が見えた。

緑色に光る壺、あたしはあの壺を『風歓喜の塔』で見た事があった。


「風壺、あれね」

壺の周りには小さなスライムが、意志なく黄昏ていた。

こちらに対する敵意は、感じられない。

でも、アイは動き出した。ハンマー片手に、スライムを潰しに戦いに赴く。


「まずは。きれいに掃除だな」

ガルアが、すぐさま風の拳で残党のスライムを蹴散らす。

ここまで来た道中のスライムより、明らかに数は少ない。

少ないが、奥にある壺の名からスライムが出てきた。


「本当に、風壺から次々とスライムが出てくるな」

「ええ、これが一番厄介よね」

レッカとガルアが言葉を交わすも、スライムの残党はあっさりと片付いた。

片付いたが、風壺から新しいスライムが出てこようとしていた。


「壊せないのか?」

「絶対に無理ね。異界のテクノロジーだから、この壺には攻撃が一切効かない」

あたしが言う瞬間、首元に冷たい空気をはっきり感じられた。

そして、感じる寒気。


「来る!」首に感じた違和感。

同時に、螺旋階段の上方から強い風が吹いていた。

吹いた風を感じて、あたしは確信した。


「テュポーンが、とうとうここに来た!」

あたしが階段を指さすと、階段の上から確かに何かが降りてくるのが見えた。

それは透明な何か(・・)だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。