表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハルピュイアの厄払い  作者: 葉月 優奈
二話:vrai petit tersor secrete
20/56

020

ゾンタの住宅街に、一際大きな鉄筋の家があった。

鉄筋の立派な家に、ガルアが連れて来た。

高さもかなり高い場所にある鉄筋の家に、ガルアに導かれて入っていく。

一緒に行動をしたアイは、工房に残したまま。

ジャックも、攻防にいるアイに付き添っていた。


「ただいま」

ガルアが言うと、女のハルピュイアが出てきた。

長い紫ロングヘアーの女は、少し老けた女性。

着ている服は、流石にエプロン姿。父子と違ってちゃんと服を着ていた。


「ガルア、ガルアなの?」

「お袋、戻ったぞ!」

「おかえり、大丈夫だった?心配なかった?」

「平気だよ」

ガルアを、心配する母親。

抱きついてきた母親に、安心させる顔を見せたガルア。

そして、ガルアがあたしの事を手で示した。


「それと、連れがいるんだ」

「連れ?」

「そう、俺と同じ旅をしていて風獣を追いかける仲間」

だけど、母の顔がみるみるうちに曇った顔に変わったのが見えた。

あたしは、母親の冷めた目に慣れていた。


「初めまして、レステです」

冷たい目を浴びせられながらも、あたしは挨拶をしていた。

それでも、構わずガルアがあたしの手を握った。


「今日、レステがウチに泊まるぞ。部屋は、開いているよな」

「ええ、開いているけど」

「あと、食事も頼む。レステは、俺の嫁になる女だから」

困惑する母親に、ガルアははっきりと言い放った。

真っ直ぐなガルアの顔を見て、母親は目をつぶった。


「分かったわよ。アンタが好きな人を連れてくるのは、初めてだから」

「それじゃあ、少し休もうか。今の俺たちには、休息が必要だから」

ガルアが、あたしの手を引っ張った。

引っ張られたあたしは、少し嬉しかった。

顔が照れていて、あたしはガルアに身を委ねていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ