013
エッグゴーレムは、魔力の動力で動く。
だが、電撃をまともに直撃すればダメージは甚大だった。
アイは既に雲の上に倒れて、動かない。
それでも、飛び出して近づくことは出来ない。敵は、まだ元気だ。
あたしは弓を構えて、矢を放った。
冷静に見えても、怒りの感情が入ったあたしの矢は……ツインヘッドの二つの頭をすり抜けていた。
「よくも、あたしの相棒を!」
怒りに満ちた顔で、あたしはツインヘッドを見ていた。
普段は冷静なあたしだけど、怒りがこみ上げてきた。
アイを倒されたことで、あたしの心は自然と高ぶっていた。
ブレスを吐いて、固まったツインヘッドはすぐさまあたしから距離を詰めてきた。
さっきまで逃げていたツインヘッドは、あたしの武器を見て選択してきた。
距離を詰めて、あたしの弓を防ぐ戦術に切り替えてきた。
切り替えながらも、それぞれの口にはブレスを蓄えていた。
(距離を、取らないと……)
だけど、ツインヘッドの動きは速い。
あたしの飛行速度よりも早いツインヘッドは、大きなドラゴンの翼を使って近づく。
空中の速度は、翼の大きさに比例していた。
大きな翼のツインヘッドは、余り大きくない体をあたしの方に運んでいく。
(ブレスも、吐いてくるのか……)
後ろに飛びながら、あたしが弓を構えようとすると炎のブレスが飛んできた。
弱い炎のブレスを吐くことで、あたしの攻撃を牽制していた、
何より、あたしを守ってくれるアイはいない。
あたしは炎のブレスをかわしつつ、距離を取っていく。
弓を構えようとするけど、矢をなかなか装填できない。
それでも、ツインヘッドの体が確実に大きく見えていた。
(何か無いか……何か)
あたしは、怒りながらも焦っていた。
その焦りは、隙になった。
追撃で『氷のブレス』を、吐いてきたツインヘッド。
あたしは、それをかわして下に落ちて逃げていく。
だけど、そこには既にツインヘッドが素早く回り込んでいた。
赤い頭が迫り、あたしに向かって長い首を鞭のようにしならせて頭で殴ってきた。
「ああっ!」
赤い頭が、右脇腹に命中してあたしの体が押されていた。
押されたあたしは翼で耐えようとしたけど、赤い頭の圧力で吹き飛ばされた。
雲の上にそのまま、鳥足で着地しようと試みた。
だけど、バランスを崩してそのままあたしは雲の上から尻餅をついた。
ツインヘッドが、上空からあたしの方を見下していた。
(まずい、これは……)
ツインヘッドは、ブレスを吐こうとそれぞれの口元に炎と冷気をため込む。
あたしは険しい顔で、ツインヘッドを見上げていた。
(まだこんなところで、あたしは終われないのに)
落ちていくあたしは、唇をかみしめながら自分の運命を呪っていた。




