011
ツインヘッドは厄介だ。
火と氷、二つの属性が存在していた。
赤の頭と、青の頭、間違いなく首から上で属性が決まっていた。
あたしの矢に合わせて、ツインヘッドが体を反転して対応してきた。
ブレスが吐かれなくても、水色の矢はおそらく青い頭には効かない。
(問題は、どうやってあたしの矢を命中させるか)
相性がいいと思ったツインヘッドは、実はとっても苦手な相手だ。
属性矢を主力に使うあたしにとって、決して相性は良くない。
(それでも、倒せない相手ではない。
多分これは、ツインヘッドによく効くと思う)
すかさず、あたしは緑色の矢を装填して放った。
さっきの水色の矢よりも、速い速度でツインヘッドに飛んでいき……命中した。
矢を見つけて対応するツインヘッドは、赤い頭を前に向けた。
口には赤いブレスを吐こうとしたが、緑色の矢が先に届いた。
当たった先は、右赤頭の鼻頭。
だけど、頭が動いたのでドラゴン頭をかすめた程度だ。
「当たりが浅い!」
緑色の矢は、素早い矢。
風の力を最大限に生かして、素早い速さで飛んでいく矢。
早く飛ぶ矢は回避がしにくい分、当てやすいが……威力が弱い。
ダメージが弱いので、そのままツインヘッドがブレスを吐いてきた。
赤い炎のブレスを、あたしに向けて放つ。
それでも、あたしの前には既にエッグゴーレムのアイが前に来ていた。
電撃のバリアを用意して、ブレスを受け止めた。
「レステさん、大丈夫ですか?」
いつも通りの機械声で、電撃のバリアを張ってアイは耐えていた。
頼もしい相棒に背中を着けたあたしは既に、次の一手を考えていた。




