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日本軍最後の抵抗  作者: 宵月 星華
第一章  に号作戦

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17/22

第十六話 帝国の稲妻

すっかりこの作品の初投稿から1周年のことすっかり忘れてました!

ごめんなさ〜い!これからも温かい目で見てくれるとありがたいです...。

 日本海軍最後の艦隊決戦は日本側が有利な状態で互いに引き上げていった。

だが、に号作戦はまだ終わっていない。そう、米艦隊を撃滅しているうちに、

沖縄に逆上陸し、混乱のうちに沖縄を奪還しようとしていたのである。



 スコールの中、輸送船団はたくみにアメ公の偵察機や潜水艦から身を隠しながら、

松型駆逐艦達に護衛されて沖縄北部沿岸に向け航行中だった。

「こちら第9号輸送艦!距離よし!輸送艇『大発』全機発進用意完了!」

「こちら二等輸送艦第104号!上陸用意完了!」

大発とは第一等輸送艦型の輸送艦に搭載された上陸用の小型艇であり、

主に兵士や食糧、弾薬を届けることを主任務としている。

一方二等輸送艦は現代のLSTのように艦首のハッチが上陸後開き、

そこから戦車や野砲などを上陸させるために建造された艦だ。

第一等輸送艦も二等輸送艦も、補給態勢の酷かったガ島での戦訓から対空があり、

強行上陸するために高速で航行することができるのだ。

その彼らが今任務を全うし、アメ公に鼻を明かす時が来たのである。

海軍の華は戦闘艦艇だけではない。地味な支援艦艇こそ、海軍の秘密の華なのだ。

「よし、これより上陸を開始する!」


 砂浜に大発と二等輸送艦が乗り上げ、兵士達が悪名高い38式小銃や99式小銃、

そして傑作と名高い99式軽機関銃などを装備して大発から降りていく。

そして二等輸送艦から95式軽戦車や通称新砲塔チハや一式砲戦車、三式中戦車や

一式中戦車、そして怪獣映画で一役有名となった最初から対戦車戦を

目的として作られた戦車、四式中戦車チトが次々とハッチから出ていった。


沖縄の臨時米軍基地

「日本軍の上陸を確認!戦車も多数見られます!」

「なんだと?!第七艦隊は何をやってる?!まあいい、戦車だな?

シャーマンを多数送り込め!もちろん歩兵に護衛させてな!」


「前方に敵戦車を多数発見!射撃用意!...テェ!」

先を走っていた95式軽戦車と新砲塔チハがシャーマンを発見し、射撃を開始する。

当然だが、95式軽戦車と新砲塔チハでは、正面から弾を貫通させることは難しい。

チトだとできなくはないが、横や斜め後ろから射撃するのがベストらしい。

まあとにかく、彼らが囮となり、シャーマンと交戦を開始した。

シャーマンが音を立てて新砲塔チハ達とやり合う中、真価を発揮するのが、

突撃砲であるである一式砲戦車である。こいつの搭載砲は75mm野砲。

日本軍戦車にしては大口径だ。当然、そんなものを食らったらどうなるか。

ちなみにシャーマンはドイツ戦線において、ティガーに撃破されまくった故に、

あらゆるものを増加装甲としたとか。ティガーの相手ではない事がよく分かる。

容赦なくシャーマンの砲塔が跳ね飛び、中から火が吹き上がった。

その後ろを走っていたシャーマンは慌てて目標を修正し、7.5cm砲を発射した。

その金色の砲弾は一式砲戦車に向けて狂いもなく命中したが、貫通しなかった。

「え?」

思わずシャーマンに乗っていた射撃手が目をパチクリ。彼は新砲塔チハとかが、

正面からでも普通に貫通するところしか見ていなかったのだろうか。

一式砲戦車は他の突撃砲同様、オープントップでありながら正面装甲は

傾斜装甲45mmとそれなりにガッチガチになっている。

そんな一式砲戦車に正面から挑むのは愚かなわけで。

だが、車長は欧州戦線で戦い続けたベテランだったようで、

「突撃砲だ!回りこめ!」

突撃砲は砲塔が固定されているため、砲を回すには車体を回すしかない。

当然、正面以外から攻撃されると一方的になってしまうわけで。

だが日本軍は一式砲戦車以外にも強いのがいた。一式砲戦車を回り込もうと、

横っ腹を見せたシャーマンに、まともに75mm砲弾が命中し、貫通した。

「は?」

先ほどのベテラン車長もびっくり。いったい何が起こった?

そう、あの某怪獣映画で有名になった戦車四式中戦車チトが、

その75mm高角砲をシャーマンに向け発砲したのである。

ちなみにシャーマンは対戦車砲である3.7cm砲や4.7cm砲では貫通できない事が

多かった。ソ連のt34に至ってはドア・ノッカーと笑われるばかり。

これは意外に思うかもしれないが、対戦車砲では貫通できなかったが、

速射ができ、初速の速い高角砲が欧州戦線等で戦車を大量に撃破していたらしい。

だから重戦車ティガーに8.8cm高角砲を搭載したのだろう。

この「高角砲を戦車に搭載する」というアイデアは大変素晴らしいと思う。

なぜ日本軍は終戦ギリギリまで実行しなかったのか。考えてもしょうがない。

とにかく、チトの75mm高角砲は優秀で、次々にシャーマンを撃破していった。

シャーマンの砲弾が当たるも、一式砲戦車よりも分厚い装甲で弾き返していた。

アメ公の戦車が次々と撃破されていく。

こうして日本軍はアメ公の戦車達を蹴散らし、沖縄南部へと進軍していった。

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