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日本軍最後の抵抗  作者: 宵月 星華
第一章  に号作戦

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第十五話 艦隊決戦②

みなさん長らくお待たせしました!本当に申し訳ございません!

 さて、魚雷を発射した軽巡洋艦酒匂率いる第一水雷戦隊は潮や響、

初霜が予備魚雷を積んでいないため一旦離脱し、やや苦戦の重巡部隊の護衛についた。

そして、北上率いる第二水雷戦隊は、まず魚雷ではなく、

北上や一部の橘型駆逐艦達が積んできた人間魚雷、回天を発射しようとしていた。


「回天射出用意!」

北上の船体ごと改造してまで搭載された特攻兵器回天は文字通り、

魚雷を改造して人間が操縦するようにした兵器である。

回天に乗るのは、若い兵士ばかり。特攻を指示したお偉い方ではないのである。

それでも彼らは、日本のため、家族を守るため、自分の命さえも捨てようとしているのである。

とある兵士は、回天に乗る前、置いてきた妻の事を考えていた。

とある兵士は、自分が死んだら1人になってしまう母の事を考えていた。

とある兵士は、「ここが俺の死に場所か」と、自分の死について考えていた。

だがそんな思いは、捨てなければならない。

断固として戦わなけなればならないのだ。その結果がどんなに悲惨であっても...

「行ってきます」

そう言って彼らは、真っ黒な回天に乗り込んだ。

水雷長はハキハキと、彼らに辛い指示を出した。

「回天射出!」

最後尾の回天から、次々と海に射出されていく。真っ黒な人間魚雷は、敵に向かって走り出した。


米重巡洋艦 ニュー・オリンズ

「駆逐艦からの警告!魚雷発見!繰り返す!魚雷発見!」

艦長は戸惑った。重巡洋艦の魚雷か?いや、方向が違う。

そして第一水雷戦隊は戦艦に雷撃したばかりだ。となればまさか...

「第二水雷戦隊からの雷撃だ!面舵いっぱい!」

しかし慌てて回頭している暇はなかった。次々と酸素魚雷よりも巨大な兵器が衝突する。

かつてニューオリンズはガ島でのルンガ沖海戦で、酸素魚雷が命中し、艦首が切断する程の被害を受けた。

幸いその際はどうにか航行でき、修理して戦地に復帰出来た。

しかし今回は、死神はあまりにも無情だった。大きな水柱が轟音と共に上がる。

ニューオリンズは真っ二つに割れ、轟音と共に沈んでいった。

その後ろを走っていたウィチタは慌てて回頭を始めたがまもなく、艦首に一本が命中した。

艦首が切断され、低速でしか走れなくなる。

その後を走っていた重巡部隊の頭上には日本の重巡洋艦からの砲撃の雨が襲った。


この時、確かに日本軍は優勢だった。実際、戦艦ニュージャージーやワシントンは大破、ニューオリンズは撃沈、ウィチタは艦首切断されていた。確かに日本軍の将兵には高揚が浮かんでいただろう。その時のことだった。ある一報が、日本海軍将兵の顔を一変させた。

「我榛名、敵部隊の攻撃ニヨリ大破、最大速力14ノット。コレヨリ戦場離脱ヲ試ミル。」

なんとアイオワと一騎討ちをしていた榛名が大破、戦線離脱。

これにより日本海軍の戦場に残る戦艦は長門、伊勢、日向の3隻。

相手はまだ3隻も41cm砲搭載高速戦艦が残っている。

いつニュージャージーやワシントンが砲撃を再開するかも分からぬ。

日本海軍将兵が落胆した時だった。一つの無線が入ってきた。


「コチラ陸軍第二六一航空隊所属野口隊!我遅レナガラ攻撃ヲ開始ス!」

陸軍の四式重爆が、米戦艦に向かって、長門を飛び越えて次々と飛んでいった。

思わず将兵が歓声を上げる。四式重爆が積んでいるのは爆弾や魚雷ではない。

陸軍最新兵器、イ号1型無線誘導弾、俗称"エロ爆弾"であった。


「イ号1型無線誘導弾!発射!」

一斉に誘導弾が切り離され、ロケットエンジンで飛行しながら誘導弾が飛んでいく。

誘導弾のメリットは、魚雷と違い、確実に当てられること。

だが無線誘導ということで、敵の対空火器の射程の中まで誘導、つまり共に飛ぶ必要があった。

護衛の駆逐艦から容赦の無い対空砲火が放たれる。すでにエンジンから火を噴いた四式重爆もいる。

だがしかし、この国のため、家族を守るために、彼らが止まることはない。

彼らはアメ公の戦艦に向かって飛び続けた。

「我誘導限界距離二到達、我任務ヲ遂行セリ。我被弾著シク離脱行動二ウツル」

誘導限界距離に達した四式重爆が反転し、避退を始める。

一方、真っ白な誘導爆弾はそのまま、

回天を逃れるべくジクザク航行中だった戦艦に向かって、

次々と襲い掛かった。


大半の四式重爆が標的に選んだのは、榛名を打ちのめすべく、

他の戦艦と離れていた戦艦アイオワである。

慌ててボフォース40mm機関砲が火を噴くが、

低高度ゆえにVT信管弾が海面反射により大半が命中しなかった。

真っ白な誘導爆弾が次々と高射砲や艦橋、レーダーに命中した。

この無線誘導爆弾は戦艦攻撃用ではなく、空母攻撃を主任務としたため、

戦艦の装甲の前では歯が立たない。

しかし、艦橋やレーダーといった重要設備を破壊すれば、

敵の戦力の大幅な低下になるのである。アイオワは主砲塔こそ耐えたが、

艦上がメチャクチャになって、停止した。


「我海軍鹿児島航空隊所属田中隊!遅レナガラ我攻撃ヲ開始ス!」

鹿児島航空基地所属の陸上攻撃機「銀河」や、

艦攻「流星」(陸上から発進したもの。機動部隊は現在北上中。)が、

魚雷や800kg爆弾を抱えて、次々と戦場になだれ込んできた。

こんなことができるのも、機動部隊が一時的にだが米空母の飛行甲板を使えなくしてこそ。

もししていなければ、陸攻や四式重爆はあっという間に撃ち落とされ、

戦艦大和を沈めた時と同様、多くの米攻撃機が機動部隊や戦艦隊に、

集中していたことは想像できるだろう。

とにかく、米艦隊は雷爆撃を慌てて回避しながら、退避を開始した。

一方日本戦艦部隊も、これ以上の追撃は逆に不利になると考え、

引き撃ちをしながら遠ざかっていった。


実はこのあと、特攻兵器「桜花」を出そうと思ってましたけど、流石に重くなりすぎると判断したので、今回は出していません。いつか出すかも。あと最初のマニラ海戦、普通に撃ち合うんじゃなくて機雷封鎖して、その隙にボルネオ島行くパターンに変更しよっかなって考えてます。

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