第十四話 艦隊決戦①
すごい久しぶりの投稿ですいません!また頑張るのでよろしくおねがします!
米軍の戦艦部隊は41cm砲搭載の戦艦5隻を中心としてスコールの中を突き進んでいた。
もうすぐスコールから出る。
その時、日本軍最後の艦隊にとどめをさす、そう指揮官たちは信じていた。
一方、日本軍はすでに、新たな一手を打っていた。
しかし、米軍はまだそのことを知らない。
スコールの中から、駆逐艦フレッチャーを先頭として次々と艦艇が出てくる。
しかし、彼らはそこで目を疑った。
そこにいたのは、空母2隻や戦艦2隻が主力の小規模艦隊...ではなく、
なんと戦艦4隻、重巡3隻、軽巡2隻を中心とした大規模戦艦部隊がいたのだ。
米戦艦群は慌てて撃ち方を始めた。一方日本戦艦も負けじと撃ち返してきた。
日本軍戦艦は4隻で単縦陣をとっていたが、その先頭に立っているのは、
かつて国の誇りと謳われ、国民に愛されたビッグセブンの一角、長門であった。
「ダンチャークッ!」
米戦艦の両舷に大きな水柱が上がる。
日本軍戦艦部隊の編成は長門と最後の金剛型高速戦艦「榛名」、
そして機動部隊より分派してきた航空戦艦「伊勢」と「日向」である。
日本軍戦艦部隊が米軍の戦艦部隊とまともに撃ち合っていては、勝てるはずがない。
だから司令官は、日本軍に有利な遠距離砲戦、水雷戦隊の突撃などを命令した。
戦艦4隻と5隻が撃ち合う中、重巡洋艦3隻を始めとした別働隊が米軍の中へ突撃していった。
かつて第三次ソロモン海戦での「霧島」の沈没、
レイテ沖海戦でのスリガオ海峡での西村艦隊の全滅以降、
戦艦大和でさえも出来なかった「艦隊決戦」である。
そのために機動部隊は米空母を使えなくした。
加えて敵戦艦が1隻でも使えなくなるよう潜水艦攻撃を試みた。
沖縄を取り戻さねば何も出来ず、ただ本土も焦土になるだけだ。
それならば、米軍をここで打ち破り、反撃体制を整えようとしたのである。
全ての力を持って太平洋を制そうとした日本軍の最後の力が、米軍へと突き進んでいった。
先頭の重巡洋艦3隻は「利根」「足柄」「青葉」である。
どれも太平洋戦争の激戦をしぶとく生き残り、米軍の鼻をあかしてやろうとする兵たちでいっぱいであった。
20.3cm砲二四門が米軍の重巡洋艦に向けられ、火を噴いた。
砲弾が炸裂する中、戦艦を守ろうと32ノットで米軍の重巡洋艦も撃ち返す。
その中を、快速の水雷戦隊がすり抜けていった。
「我酒匂、統一魚雷戦用意!」
阿賀野型軽巡最後の4番艦「酒匂」は軽巡や駆逐艦に砲撃を加えながら敵戦艦へと狙いを定める。
その後ろから、駆逐艦「潮」、「響」、「初霜」そして「雪風」が36ノットで突撃していった。
最後の「艦隊型駆逐艦で構成された水雷戦隊」の第一水雷戦隊である。
続いて突撃するのはかつて重雷装艦として名をはせた軽巡北上と、
後続の「簡易型駆逐艦」の松型駆逐艦達の第二水雷戦隊である。
駆逐艦及び酒匂の魚雷発射管が旋回し、戦艦に狙いを定める。
千切れんばかりに旗がはためき、標準器に目標が重なる。水雷長が叫んだ。
「機動弁開け!」
魚雷が作動して、ジャイロが設定される。
そして、水雷屋の代名詞とも言える名言が水雷長から放たれた。
「魚雷発射ッ!」
一斉に魚雷が放たれた。響と潮は9本、酒匂と初霜、そして雪風は8本を海中に放り込んだ。全力発射である。
「到着まで9分。」
水雷屋の生き甲斐が、ここに詰まっている。
米軍戦艦 ニュージャージー
「駆逐艦より緊急電!魚雷発見!魚雷発見!」
「回避!」
慌てて舵を回すも、魚雷が3本命中する。浸水で速度が10ノットまで下がってしまった。
「我戦場離脱ス!」
しかし、次の瞬間、41cm砲弾が第3砲塔の弾薬庫を貫通。
大轟音と共に爆発が発生する。レーダーや無線が一時使用不能になってしまった。
一方、旗艦アイオワは榛名と一騎打ちを行なっていった。
どちらも30ノットの最大戦速。武装はアイオワの方が上だが、
遠距離での砲弾の密集性や正確性では劣っている。
そのためアイオワは距離を詰めようとした。しかし、榛名も最大戦速で距離をつめさせようとしなかった。
一方伊勢、日向は単縦陣でワシントンを砲撃していた。
伊勢、日向のどちらも3、4番砲塔は射出機などの遮蔽物によって射角が限られるため、
こうした措置をとったのである。対するワシントンは霧島を沈めた仇である。
そのワシントンはやや伊勢型よりも最大戦速が速いが、
損傷によって機関に浸水、速度が下がっていた。そこに36cm砲16門の数の暴力が襲ったのである。
容赦なく叩きのめされ、ワシントンは航行不能になった。
ミズーリは長門と一騎打ちである。
かつて「長門と陸奥は国の誇り」と謳われた長門が、史実では「日本降伏の場」となった戦艦と戦うのである。
この戦いはまさに、日本の運命を決める戦いでもあった。
共に25ノット以上の高速戦艦、加えて40.6cm搭載艦、相手にとって不足なし!
長門の巨砲は、常に敵を睨み続けている。




