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日本軍最後の抵抗  作者: 宵月 星華
第一章  に号作戦

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第十二話 翼なき航空戦艦の対空砲火



 接近してきた敵編隊に向け測距が行われ、

航空戦艦「伊勢」「日向」の36cm連装砲塔合計八基一六門が敵編隊へ向けられた。

「交互一斉撃ち方!三式弾!撃てぇ!」

 爆音が轟き、敵編隊の攻撃機たちがパラパラと落ちる。


 伊勢、日向の伊勢型(改扶桑型)戦艦2隻はミッドウェー海戦後、空母の立て直しを図るため、後部の主砲2機を取り払い、そこに広い航空甲板や格納庫などをつけたのが、航空戦艦「伊勢」「日向」である。

だが少し妙な構造になっていた。

飛行機はカタパルトで射出される。そして、着艦はできない。

射出された艦爆は、搭載機が帰らず空いた空母か、陸上基地に帰還することになっていた。

搭載機の消費を前提とした運用なんて、乱暴な話だ。

しかし、レイテ沖海戦では格納庫は空だった。

 が、伊勢と日向はあくまで航空「戦艦」である。主砲8門が残っている。

さらに大量の対空火器がある。

 その結果、伊勢と日向はレイテ沖海戦時、敵機を44機以上撃墜、爆弾は命中弾をほとんど出させず、魚雷は一発も命中しないなど、猛将ハルゼイ大将を唸らせるような活躍を見せたのである。

だが結局、小沢艦隊の空母は全て海の底に沈んでいたが。


 さてアメリカ軍がさらに近づくと、秋月型の宵月、冬月や、大淀の長10cm高角砲や、伊勢、日向、天城、葛城などに搭載された12.7cm高角砲が出迎えた。

さらに「ロサ弾」を、噴進砲(ロケット弾のこと)が大量に打ち上げる。

信じられないような弾幕の嵐である。

それに追撃してきた零戦たちもいる。

次々と攻撃機達は火のスカートを広げて落ちていった。

だが何機かが果敢に輪形陣の中に突っ込んできた。

二百挺を超える数の25mm三連装機銃がうなりを上げて空へ弾幕を打ち上げた。

たちまち彼らは爆弾を何個か投弾できた以外は、戦果を上げることはできなかった。


烈風や紫電31型、零戦64型などが引き返してきて、次々と着艦した。



 

 だが日本軍が安心し、期待をするにはまだ早かった。

なぜならアイオワを中心とする高速戦艦部隊が機動部隊に接近してきており、あと1時間もあれば機動部隊の伊勢と日向の高い艦橋が水平線の先から見えてくるだろうという距離であった。

 さらにアメリカ軍の艦上攻撃部隊が大被害にもめげずに第二波、第三波を次々と用意していた。


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