入学式とひとり
4月・・・
世界中で、全生物の意識が飛んだ。
気が付くと・・・何も変化はなかった。
まぁそんな訳もなく、世界中で謎の台座と玉が出現した。
それと同時に、『ステータス』と呼ばれるものも出現した。
ここまでが、大事件が起きてすぐの大体の出来事だった。
人間の適応力とは素晴らしいもので、今では利用できるものは全て利用している。冒険者学校もその一つだ。そこに通うことになった僕の名前は 夢野 天花 スキルは花言葉の通りに何かを起こせるというものだ。今日は入学式で、成績トップが代表を務めるのだが先程から気が気でない。あいつが、まともに務められると思わない。どうか何事もなく終わって欲しいものである。あっ、とうとうあいつの話が始まるみたいだ。
「私はこの度、新入生代表として選ばれた 風宮 舞です。
この学園に入ったからには、トップを目指し戦闘はもちろん勉学にも励みたい と思います。まず、その第一歩として近々行われる演習で優秀な成績を収めてみせます。」
その時、歓声があちらこちらで聞こえた。僕もすごいと思った。その理由は、彼女が言った演習というのは厳しいと有名だったのもある。しかし、それ以上にあのマイがきちんと喋っているというのが大きな要因だ。
入学式が終わって、自由時間になるとマイが駆け寄ってきて
「すごかったでしょ。」と笑いながら言った。
「誰に考えてもらったんだ?」と聞くと
「なんですぐにそう言うかな。まぁ学園長に考えてもらったけどさ。」
「やっぱり、マイはあんな真面目な文章考えられないもんな。」
「そんなこと言われると、ちょっと傷付くな。」
「ごめんな。いつものノリでつい。」
そんな、僕たちにとってはいつも通りな会話をしていると、周りから僕のことを妬むような言葉が聞こえてくる。まぁそれも当たり前。成績優秀な上に容姿も良いとなったら、いくら幼馴染でも不釣り合いに見えるだろう。でも、流石に漫画に出てくるような突っかかって来る奴はいないらしい。そんな考え事をしてたら、
「クラス発表は明日か〜。」
「急にどうしたんだ。」
「いや、 テンと同じクラスになりたいなって思っただけ。」
「クラスは成績順だからな。僕の成績だとギリギリって感じかな。」
「大丈夫だって、天は頭いいし。」
「そうだといいな。」
「うん!じゃあ、私こっちだからまた明日ね。」
「ああ、また明日。」
この学校の生徒は、寮で暮らしていてその部屋の優劣は成績により決まる。でも、今日はまだクラスがわからないので、適当に割り振られる。同じ部屋のやつが優しいといいが。
僕の部屋は、1階の角だった。マイと話していて、少し遅れたと思う。だから、誰かしらいると思っていた。なのに、扉をあけた先に待っていたのは暗くてなんの音もしない静かな部屋だった。どうやら、1人らしい。夕食はもう食べ終わっているため、今夜僕は1人寂しく寝ないといけないということだ。僕は誰かと遊んだり、話したりするのを楽しみに寮に来たのに、一体なんの恨みがあるというのだ。
僕は、眩しい陽の光を受けて目を覚ました。朝には弱いはずだが、慣れない環境で早起きしてしまったのかもしれない。早速制服に着替えて、散歩でもしよう。時間が早いので、学園内を見て回ることにする。一応、街全体が学園の敷地だが放課後まで学園の外には出られない。そういえば、庭園が気になっていたんだ。僕は、小さい頃から植物が好きだった。季節によって変わる色に毎日、目を奪われていた。だから名前や、スキルが花に関係していて嬉しかった。早く見たいという気持ちがあったからか、歩くペースがどんどん速くなっていった。
・不定期投稿 ・急に失踪
などあるかもしれませんが頑張ります。