表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

席替え

 席替えと言えば、学生時代のドキドキイベント。


 メスガキが隣になるとこうなる、たぶん。



「うっわ! あんたが隣とかちょ~受ける!w」

「いや、意味わかんねぇし」


 俺はそのメスガキのことが実は少し好きだった。いや、だいぶ好きだった。いつも明るく、一緒にいて楽しいからだ。


 席替えをしてから、「となり同士でペア組んで」の授業が待ち遠しくて仕方なかった。


 メスガキも楽しそうに笑っており俺はそれが嬉しかった。


 だが、ある日の休憩時間、事件は起こった。


 メスガキの友達――派手なヤツら――が二人、メスガキの席に遊びに来てこう言うのだ。


「ユイ最近さぁ、コイツとデキてるってウワサになってんだけど、ちょ~ウケるw」


 メスガキ――ユイは一瞬固まると、直ぐ様素に戻った。いや――


「あり得ないって! こんなクソ雑魚となんて! 流石にわたしにも選ぶ権利くらいあるしぃ」


 ユイが笑いながら横目で俺を見てくる。


「………………」

――ガタッ


「うわ、マジ陰キャ」

「空気よくなってね?w」


 無言で席を外す俺。


「…………ぁ」


 とユイのもらすか細い声に後ろ髪を引かれつつも俺は黙って教室を出ていった。



 放課後、あれから一日中不機嫌だった俺は、部活に行こうと黙って席を立った。なぜかユイもついてくる。


「…………なんだよ?」


 俺がそれだけ聞くと、どことなく泣きそうになっているユイが、いつもの明るさからは想像もつかない震えた声を出す。


「――本気じゃ、ないから」


 それだけ言うと、顔を赤くしプイとそっぽを向く。ユイは小走りで教室を出ていった。



――もちろん、翌日からまたイチャイチャしたさ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ