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バカと天才は紙一重

意味深なのが書きたかっただけ(尚意味深ではない模様)



 その子は天才で、少し変わり者だった。


 言葉を教えれば次の日には当たり前のように話し始め、計算を教えれば、応用まで簡単にやってのける。

 魔法の制御も一日で身につけ、桁外れの出力と精密性で的を、敵を、そしてついでに森も焼き払った。やりすぎ。


 周りがその力を賞賛し褒め称える中、中には嫉妬し、妬むものも居た。性格は大雑把で、学友や教師に対しては寛容で、逆に魔物を含めた敵には無慈悲で、躊躇なく殲滅するほど割り切りもいい。100か0とはこの事。


 理解力や順応力が高いにも関わらず、常識が(あんまり)なく、周りを驚かせたり、ドン引きさせたりもした。まあそこも彼女の魅力と言える···言えるか?印象はとても強いだろう。


 今まで誰も怒ったところ、感情を強く出しているところを見たことがなく、周囲に興味を向けない様子は、初対面では冷たい思われても仕方がないものがある。自業自得である。


 故に、「怒ったらヤバそう」というのは、知り合い達の共通認識だ。実際、下手すると存在の欠片も残らない程ボコボコにされるであろう。あたおか。


 だが、それこそ同級生にすらそこまで興味を示さない為、怒らせるとなると、彼女の父母、両親を殺めるぐらいはしなければならないのではないだろうか。

 好んで死にに行くやつ等居ないだろうから、その時は永遠に訪れないだろうが。


 ―――


「お前まだやってんの?飽きないの?」

「······!!」

「そんなに剣振ったら腕折れるんじゃない?」

「······!!」

「ダメだこいつ、話聞いてねぇや」


 その少年は、凡人だった。


「よーし、テスト返すぞー、まずはリール」

「(そんな小学生じゃあるまいし)はい」

「お前頭どうなってるんだ?このテストで満点とかおかしいだろ」

「(努力の賜物だね)生徒におかしいというのはどうかと思います」

「それもそうだな」


 その少年は、才能が嫌いだった。


「よしこれから男子だな。まずはダージ」

「はい」

「73点だ、よく頑張ったな。成績も上がってきているぞ、その調子だ」

「····はい」


 学力は平均値、良くも悪くもない。


「次、ダージ!」

「ファイア!」


 ズドン


「おお、凄いな。もう俺より強いんじゃないか?」

「そんなことありません、まだまだd」


 どごーん


「せんせー、リールちゃんが的と一緒に校舎も破壊しましたー」

「曰く、『調整、ミス』だそうですー」

「だからやらなくていいと言っだろう!」


 魔法は精々が平均ちょい上。


「そこまで!ダージの勝ち!」

「痛てて、やっぱお前つえーよ」

「そう言ってくれると嬉しいな」

「さて、報告に行きますか」

「ああ·····ん?なんだか先生に群がってるな」

「せんせー、リールさんが剣が折れたからって、自分で作ろうとしてまーす」

「オリハルコンでもできるんじゃないか?」

「あれ?剣って金属じゃ···」

「なんで折れた?」

「握りつぶしてた」

「リールさん、『······脆い』って言ってましたー」


 近接も、遥か上が居る。


 だからせめて、辺境へ逃げた“天才”とは違い、自分は立ち向かおうと、そう思った。


 なのに、結局、


「皆後ろに居るから、そこまで逃げて」

「お、お前はどうするんだ」

「私は、あいつら全部消さないとだから」


 久しぶりに見た“天才”の顔には、見たこともないような憤怒が浮かんでいた。

 魔法で、力で敵を圧倒していく姿は、自分が憧れたものだった、夢想していたものだった。


「俺は、要らないか」

「うん、あれ全部私の獲物だから」


 一ミリも笑わない、殺気と怒りに溢れたその顔。


「···なんで、お前はそんなに強いんだ」

「努力」

「そんなの俺もしたさ!」

「じゃあ足りないんじゃない?」


 それだけ言って歩いていってしまう。

 必死にしてきた努力を、足りないと言われた。凡人が努力する時間に天才が努力していたら、そら追いつける訳が無い。

 結局は、どれだけ足掻いても凡人は凡人止まり、ただそれだけの話である。

改めて読んでも終わり方が…

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